2011/11/28

最強絶叫ダンス計画(2009)

Dance Flick (★)

相も変わらず WOWOW録画で未公開映画の追いかけだ。

原題 Dance Flick、「ダンスもの」というタイトルの、ダンスもの映画のパロディ映画。邦題は、これが "Scary Movie" ウェイアンズ一派の作品であることを示す記号以上の意味はないな。(だって 絶叫=”スクリーム" 計画=ブレアウィッチ "プロジェクト"だし)・・・というか、他の作家のパロディ映画にも節操無く似た邦題をつけてるから、「ナンセンスなスケッチを並べたくだらねぇパロディ映画」の記号ということか。

しかし、このジャンルは死んだね。今世紀に入ってからコンスタントに作品を出しているのはウェイアンズ一派とフリードバーグ&セルツァー組なんだけど、両方とも全くもって面白くないんだもん。ウェイアンズ一派で始まった"Scary Movie"シリーズが、途中で何故かザッカー/プロフト組に先祖返りして「まともに面白い」映画になったことではからずも実証されたように、ジャンルの創始者たる"ZAZ"以降、それを越える才能が出てきていないってことだ。

で、本作。土台になっているのは、可愛気のない顔つきで日本では全く人気のないジュリア・スタイルズ主演の 『セイブ・ザ・ラスト・ダンス (2001)』で、バレリーナを夢見る白人の女の子が、母親の突然の死によって引越しを余儀なくされ、ヒップホップ・ダンスの得意な黒人の恋人と付き合うようになっていく流れに沿って、様々なナンセンス・ギャグやパロディが串刺しになっているというわけだ。

Dance Flick とはいうけれど、「ダンスもの」映画への愛とか尊敬がなさすぎるのがつまらない第一の理由なんだろうな。だいたい、ダンスものをネタにしたギャグも少ないんじゃないか。振付もダンスも酷いもので見ていられない。パロディであればこそ、そこは真剣にくだらないことをやるべきなんじゃないか。それと、ギャグが面白くないだけならともかく、不愉快なのもある。レイ・チャールズの扱いや、ゲイのネタ。いや、ほら、ダンスものなんだからゲイがネタになってもいいよ。"Fame" が "Gay" になるダンス・シークエンスは作品中でも数少ない「面白くなったかも知れない」シーンの一つだとは思うよ。でも、作り手の意識の低さが丸見えだから、笑えるより前に不愉快になるんだ。

ちなみに監督のダミアン・ダンテ・ウェイアンズは、我々のよく知るところのウェイアンズ兄弟の甥、本作の主演デイモン・ウェイアンズJr は名前の通りデイモン・ウェイアンズの息子。け、いつのまにか世代交代が起こってんでやんの。

2011/11/21

アラフォー女子のベイビー•プラン(2010)

The Switch (☆☆☆)

映画では決定打に恵まれないジェニファー・アニストン主演の、ロマンティック・コメディ、じゃないよな、これ。実態は、ジェイソン・ベイトマン主演の変則的な「片思い」映画である。コメディだけど、笑えない話だし、ロマンスだけど、ぜんぜんロマンティックじゃない。

友人以上の好意を抱いていた女性が、年齢を理由にしてドナーから精子の提供を受けて人工妊娠で子供を作ると決意してしまう。施術により妊娠に成功した女性は出産と子育てを理由に田舎に帰ってしまう。7年後、子供を連れてNYに戻ってきた女性と「友人」として再開した主人公は、「友人」として彼女の子供と接するうち、内向的でややこしい性格の子供が、ドナーとなった男に似ていないばかりでなく、むしろ、自分に似ていることに気づく。そういえば、記憶があやふやなんだが、施術の前に、酔った勢いでドナーの精子と自分の精子を入れ替え(=The Switch, 原題)たんだっけ。

本質的には、お互いに憎からず思っていながら、互いの関係を「友人」と定義したがためにややこしい関係に陥る男女が、大きな回り道をしてあるべきところに収まるという話ではある。そこに「人工授精で作った子供」と、「裏の事情」、裏の事情を知らない「ドナー」との関係に深入りしていく女、いまさら裏の事情を話すわけにいかなくなって窮地に陥る男、と、映画ならではの複雑な状況を作り出し、スムーズに流れる話にまとめあげた脚本が秀逸。

人工授精のプロセスで、ドナーの精子を第三者が勝手に入れ替えるなどという無理のある要素を含む設定も、「大きな決断である施術に当たって、勢いも必要だと知人・友人を招いてパーティを開く」、「パーティには医者も招き、そのまま自宅で施術」、「誰のものか分からない凍結精子は嫌なので、自ら募って選んだドナーをパーティに同席させ、直前に新鮮な精子を採取」などの、大嘘・大技を自然な流れの中で連発する力技には脱帽する。しかも、そこまでやってのけて映画の半分、というか、前段に過ぎないのだから大変だよ、これは。アラン・ローブ(『ウォール・ストリート』『ラスベガスをぶっつぶせ』)って、なかなかやるじゃないか。

ジェニファー・アニストンは、いかにもこういう身勝手なことを言い出しかねない「都会で働く自立した女性」像を、嫌な女にみせずに演じていて適役。実質的な主人公を演じたジェイソン・ベイトマンがなかなかうまい。いつも目立たない脇役ポジションで、名前と顔がつながらなかったのだけど、この映画で覚えたぞ。実は子役上がりの大ベテランなんだね。一見爽やかだが、あんまり中身のなさそうな「ドナー」をパトリック・ウィルソン。その他、ジュリエット・ルイス、ジェフ・ゴールドブラム がちょっとした役で出ている。監督はジョシュ・ゴードンとウィル・スペックのコンビ(『俺たちフィギュアスケーター』)。こういう映画が撮れるんだね。びっくり。

2011/11/19

妖精ファイター(2010)

Tooth Fairy (☆☆☆)

ロック様ことドゥウェイン・ジョンソンは、映画界への転身を一番うまくやってのけたレスラーといっても過言じゃあるまい。とりたてて演技がうまいわけではないが、立派な体格で存在感は抜群だし、子犬のような愛嬌があったりする。出演する映画の幅も、かつてのシュワルツェネッガーがそうだったように、アクションとコメディの両方にまたがっていて、なかなか器用なものである。まあ、日本のマーケットではどちらの路線も冷遇されているけどさ。

で、この作品は、ファミリー向けのコメディのほう。『妖精ファイター』、原題は「歯の妖精」。ファイターって・・・・何。

抜けた乳歯を枕の下に置いておくと、「歯の妖精」さんがやってきてコインと歯を交換してくれる、という西洋の言い伝えがありますな。米国ではコイン=クォーター(25セント)が相場だと思っていたら、映画の中では1ドル紙幣だっていうんだから乳歯の値段も高くなったものだ。

ドゥウェイン・ジョンソンが演じるのは、盛りを過ぎたアイスホッケー選手である。この男が付き合っているシングルマザー(アシュレイ・ジャッド)の連れ子に、歯の妖精なんていないと現実を教えようとしたため、妖精の世界に召喚されて「夢を壊そうとした罪」を問われ、1週間のあいだ「歯の妖精」の仕事につくことを強要されるという話なんだな。

この主人公は、ラフなプレイで知られていて、試合中に相手選手の前歯を折ったりするものだから、皮肉なことに「Tooth Fairy」などというニックネームが付いている。そのイカツイ体に童話風の羽が生えてきて本当の「歯の妖精」にさせられてしまい、悪戦苦闘するというのがメインプロット。あの「ロック様」がメルヘンな衣装に身を包み、作り物の羽がピロピロ生えている絵面はなかなかミスマッチ、良い意味で恥ずかしい。

妖精の世界を取り仕切るボスは、なんと、(声だけを除けば)『プリティ・プリンセス2』以来、6年ぶりの出演となるジュリー・アンドリュースだ。1935年生まれだというから、それなりのお年になっているんだが、とても優雅で美しく、貫禄もあり、コメディのセンスもあるんだからスゴい。妖精が仕事をするために必要なガジェットを用意してくれる、いってみれば「007におけるQ」の役周りがビリー・クリスタル。出演時間は短いのに、しっかり笑いをとっていく軽妙な演技と話芸はさすがだ。

単にドタバタに終始するだけでなく、現実的でシニカルな主人公と、恋人の連れ子たち、妖精界の「ケースワーカー」として主人公に付きそう羽のない妖精との関係を積み上げていく中で、なんと、主人公が過去の挫折から再起する物語へと収斂させていく脚本がなかなか秀逸。ローウェル・ガンツとババルー・マンデルっていえば、90年代にビリー・クリスタルやハロルド・ライミス、ロブ・ライナーらとコメディの佳作をものにした脚本家コンビじゃないか。監督はTVがメインのマイケル・レンベック。

2011/11/16

お願い!プレイメイト(2009)

Miss March (☆)@WOWOW録画

主演しているザック・クレッガーと トレヴァー・ムーアが20世紀フォックスからカネを引き出して作った(脚本・監督)は薄笑セックスコメディ。

高校時代に清いお付き合いをしていた男が、プロムの夜のアクシデントで昏睡状態となってしまう。4年後に目がさめてみると愛する清純な彼女はなんと"ミス3月(原題)"としてプレイボーイ誌のカバーを飾っており、赤裸々なセックス体験を語っているではないか。子供の頃からの悪友に引きずられ、プレイボーイ帝国を築いたヒュー・ヘフナー邸で行われるパーティに潜入するために、サウスキャロライナからLAまでの珍道中が始まる、という話。

なんか、本国で公開した時に当たってた記憶があったので見てみた。が、ひでぇーなー、これ。

下世話なコメディは珍しくもないけど、キャラクターに爪の先ほども共感できないんだから困る。特に、主人公の悪友のキャラクターが最悪。ネジの切れたセックスキチガイでもいいよ。でも、『アメリカン・パイ』のスティッフラーだって、ここまで酷いキャラクターじゃなかった。ただの非常識男、トラブルメイカーという枠を超えて、悪人なんだもの。いくら非常時だからって、彼女の顔をフォークで刺して逃げるか?車から路上に放り出された女をそのまま放置するか?昏睡状態の友人をバットで殴るか?これで笑えというほうが無理だよ。

ロバート・ワグナーをヒュー・ヘフナー役にキャスティングして撮影していたのだが、ご本人がラフカットを気に入って出演を快諾したがゆえ、ヒュー・ヘフナー登場シーンを本人出演で全部撮り直したんだそうだ。おかげでロバート・ワグナー(『オースティン・パワーズ』のナンバー・ツーな)は、この救いがたい駄作に顔が残らずに済んだわけだ。

2011/11/09

デート&ナイト(2010)

Date Night (☆☆☆)@WOWOW録画

コメディ好きにはお馴染み、『40歳の童貞男』のスティーヴ・カレルと、「サタデー・ナイト・ライヴ」のヘッドライターも務め、サラ・ペイリンのモノマネでも話題を呼んだ才女、ティナ・フェイが共演するコメディ映画。原題は"Date Night"だけど、邦題はトム・クルーズ主演作にひっかけて、なぜか真ん中に「&」が入っちまうんだな。

2人が演じるのはニュー・ジャージー暮らしの子持ち・共働きの夫婦。仕事に子育てに忙しい毎日だが、ときおりベビーシッターを頼んで夫婦二人の時間("Date Night")を楽しむようにしている。といっても、普段は近所のファミレスで食事したり映画を見に行ったりする程度のことなのだが、ある日、ちょっとした思いつきからマンハッタンで超人気の高級レストランに出かけて特別な夜を楽しもうとしたことから、トラブルに巻き込まれ、とんでもない一夜を過ごすことになるというお話し。もちろん、その経験を通じて二人の絆が一層深まるという定番のストーリー。

気楽に見られて、気持よく笑える良作。主演のこの二人は、普通にしていたら「普通の人」に見えるが、やはり芸達者。「普通の人が、普通でない状況におかれて、普通じゃない行動をとるが、本人達にそれほどだいそれたことをしているという自覚があるわけでもない」という一連の流れに説得力を与え、観客から好感され、過度なコメディ演技に陥ることなくきっちり笑いをとるのって、案外難しいものだよね。二人の相性も抜群で、もはや小手先の「演出」を必要としないレベル。これ一本じゃもったいない、このコンビで何本かやってほしいと思う。

それと、この映画、配役が映画ファン的には豪華。マーク・ウォルバーグ、ジェームズ・フランコ、ミラ・クニス、マーク・ラファロなどが登場。いつも上半身裸のマーク・ウォルバーグが画的に面白すぎる。

監督はショーン・レヴィ。スティーヴ・マーティン主演の『12人のパパ』『ピンク・パンサー』、ベン・スティラー主演の『ナイト・ミュージアム』シリーズ、そして待機中の『リアル・スティール』でコメディじゃないジャンルへも挑戦している。一応、スマッシュ・ヒットが続き、手堅く「計算」できる監督なんだろうが、本作を含めて、あんまり監督の手腕で映画が成功したとまでは思えない作品ばっかり並んでいるんだよなぁ。

2011/11/03

迷ディーラー!? ピンチの後にチャンスなし(2009)

The Goods: Live Hard, Sell Hard (☆☆)@WOWOW録画

進退極まった中古車ディーラーの助っ人として雇われたプロのセールス・チームが先頭に立って、独立記念日の週末にあの手この手で在庫車を売りさばこうとするドタバタ・コメディだ。

作り手のインスピレーションは、ロバート・ゼメキスのデビュー作である中古車屋ドタバタ・コメディ『ユーズド・カー』と、デイヴィッド・マメット原作のセールスマンもの『摩天楼を夢みて(グレンギャリー・グレンロス)』にあるという。ジェレミー・ピヴェン主演(←めずらしい)、ヴィング・レームス、ジェームズ・ブローリン、ケン・チョンなど。製作にウィル・フェレルが絡んでいるのだが、映画のノリはそちらな感じで、かつ、カメオ出演もしている。

米国における「中古車のセールスマン」は、信用出来ない人間の代名詞のひとつ。口八丁手八丁で「レモン(欠陥車)」を売りつけ、売った者勝ちというイメージだな。そんな中古車ビジネスを舞台にしてはいるが、この映画、基本的に中古車セールスマンを揶揄したり貶めるものではない。基本的フォーマットは、万年負け組が奮起して結果を残すという、スポーツ物などに典型的なパターンの話であり、それぞれの立場でそれぞれに頑張っている、少し変わった人間たちへの賛歌である。そこまですっきり爽やかで気持ちよい映画ではないけどな。

笑いのネタも、半分面白く、半分不発。コメディ好きの自分でも、「やっすいマチネー料金で見ている分には許容できる程度」の映画だなと思うんだから、出演者も地味なコメディでそういう出来映えであれば未公開街道まっしぐらも致し方ないか。

ところで、主人公が、現場の士気を高めるために朝のミーティングで「パールハーバー」を例えに出したら、感情が昂ったセールスマンたちが(『ハング・オーバー!』や『トランスフォーマー3』で有名になったアジア系のコメディアン)ケン・チョンをタコ殴りにするというギャグがあった。ケン・チョンの役は日系ですらない、というオチがつく。これ、ちょっと嫌だなぁ、笑えないなぁ、と思って見ていたら、案の定、「差別的」だと日系人のコミュニティが抗議したらしい。

コメディのネタにケチをつけたり、あんまり表現を自粛したりするのは無粋だと思っているのだが、やってよい表現とダメな表現の境界線はなかなか難しい問題だ。

上記についても、毎朝毎朝、「ホロコースト」を例えに出してドイツ系をボコスコにし、「アラモ」を例えに出してネイティブ・アメリカンをズタボロにし、「911」でアラブ系を、「KKK」ネタで有色人種が白人全員を叩きのめし、と反復したうえで、「21世紀になっても進歩のない連中だな」くらいの批評的な台詞でオチをまとめれば、アリだったかもしれない。

要は、作り手が、そこで行われている行為を間違ったことであると認識していることを明確に示しているかどうかなんじゃないか。もちろん、ギャグにしているということは、それが「政治的に」間違っているという認識は示しているのに等しい(ので、あまり目くじらをたてたくない)が、本音ではOKと思っているようにも受け取れるから気分が良くないし、反発も出てくるのだな。あと、特定の人種なり何なりだけをターゲットにするのでなく、様々な事象の中で相対化されているほうが批評性につながると思うんだがどうだろうか。"Avenue Q" の歌詞じゃないが、「誰もが少しだけレイシスト♪」なノリになっちゃえば、不謹慎とはいえ、差別的だとは感じないものだ。

2011/09/28

やっと Star Wars (BD) が届いたよ


9月16日世界同時発売の「スター・ウォーズ」Blu-ray BOX だが、円高によるお得感もあって北米盤の注文をしてあったため、国内での発売にともなうお祭り騒ぎ(?)に随分乗り遅れてしまった。が、amazon.com 普通便での配送で、9月27日に到着。9月中には届くだろうと思っていたので、だいたいこんなものか、という感じ。

うちのポストは小さいのだが、今回の配送はSWだけだったこともあり、他の配達物といっしょにポストの中に突っ込んであった。いつもは不在通知を持って郵便局の「ゆうゆう窓口」(だっけ?)までひとっ走り受取りにいくのだが、今回はその手間が省けてラッキー!


北米盤のパッケージの外観(箱)のデザインは国内盤と変わらない感じだ。

・・・が、外箱から中のケースを取り出してみると、写真にあるような紙のブックスタイルになっている。紙の台紙にプラスティックのケースが貼りつけてあるデジパックとは違って、厚みのある紙の頁にスリットがあって、頁の厚みの中にぴったりとディスクが収まる。これ、同じ20世紀フォックスの「エイリアン・アンソロジー」北米盤も同じスタイルだった。愛蔵版として質感も高く、なかなか良い感じだと思う。BOXものはこういうのがいいなぁ。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は安っぽかったもんなぁ。


そのかわりかどうかしらないが、ディスク盤面のデザインはあっさりしたものである。せっかくだから、それぞれの頁のイラスト印刷と一体となるような盤面だったら最高だったんだけど。国内盤は1枚1枚にキャラクターが印刷されているんだよね?

とりあえず、エピソード4だけ見た。いくらジョージ・ルーカスが今後は1から順番に、といっていても、やっぱり、制作順に見るのが王道というものだろう!

ディスクを国内仕様のBDプレイヤーにかけると、日本語で注意書き、ウォーニングの類が出てきた。なので「おや?実はディスクの仕様は世界共通で、プレイヤーの設定次第でメニュー、アクセスできる字幕や吹き替え音声の種類が切りかわるタイプなのか?」と思ったが、本編には(当然ながら)日本語字幕・音声の収録はなかった。やっぱりそうだよねー。

そういえば、このあいだ見た北米盤の『荒野の用心棒』も、冒頭のウォーニングだけ日本語で出たが、本編は北米仕様で日本語字幕・吹き替えはなかったっけな。まあ、最初から期待していないのでどちらでもよいのだけど。なんか不思議な感じだな。

見た感想としては、解像度が上がったことで、もともとのフィルムの解像度のよいシーンとなんとなくごまかしていたシーンの差がはっきりわかっちゃうんだなぁ、というのが印象的だった。合成シーンの粗とかも。まあ、それも含めて楽しく、興味深くはある。

あと、1997年の「特別編」で追加されたCGIの生き物は、やっぱりなんか不自然にみえる。CGIに置き換えられた一部のXファイターのシーンもそこだけ少し浮いているしな。

エンドクレジットはCGIのスタッフとかも出てきたので、1997年の特別編準拠だと思うが、ちょっと気になったことがあるのでもう一回確認しようと思っている。

内容面では、オビ・ワンの台詞や演技、R2D2の振る舞いなど、新3部作を踏まえてみると、いろいろ意味合いが変わって見えてくる部分が多く、改めてそういう視点でみると、とても面白い。また、英語のセリフだとそこそこ巧妙に新3部作との整合問題を回避できているように感じた。よく指摘されている矛盾のいくつかは、字幕・吹替に起因しているんじゃないか。

あと、見てないのだけど、特典ディスクの中にある旧3部作絡みの3つのメイキング、昔、LDで出てたやつといっしょだよね。多分、まだ持ってるんだけど、これで処分できそうだ。

2011/09/27

検索による記事へのアクセス傾向

ここので "Mac"とか、"Apple" 関連のエントリーを書くと、情報収集している人たちが検索で飛んでくるのか、古くなった記事でもコンスタントにアクセスがある。さすがにそちら方面は興味・関心をもつ人が多いんだなぁ、と思う。

と、同時に、ここにきても、そういう情報を集めている人にはあんまり役に立つ記事があるわけでも、たくさんのエントリーがあるわけでもないため、申し訳ない気持ちになったりもする。

しかし、ここ最近は9/21づけのフランス製TV映画の記事へのアクセスがやたらに多く、"apple"関連の記事のアクセス数とトップ争いをしているのが面白い。やっぱり、タイトルが検索でひっかかるっていうことなんだろうか。。。映画の感想・レビュー系はそれこそいっぱい書いているのだが、こんなにひとつの記事にアクセスが集まることなんてないよっ!

で、やはり、もしかしたらそっち系の情報を集めている人には何の役にもたたないエントリーだったりして。他に同じジャンルの記事もないしな。

2011/09/21

ザ・レイプ 欲望の報酬(2010)

Mes Cheres Etudes (Student Services) (☆☆☆)@WOWOW録画

まあ、なんだか酷い邦題なんだけど。フランスのTV映画、らしい。

3年ほど前に、フランスの学生の経済的な困窮と、それが原因でネットで媒介される学生売春の広がりが話題となったことがある。フランスの大学は学費が殆どかからないなど恵まれたイメージがあるが、親からの十分な援助が得られない、あるいは、大人になったら経済的に自立するのがあたりまえだという考え方が根強く、同時に、労働市場の慣行から学生や若者の職業機会が限られていることなどが背景にあるんだそうだ。それで、生活費を稼ぐため、手軽にかせぐことができる売春に深入りした経験談などが相次いで出版されたことで、ある種、社会問題的な注目を集めたらしい。

これは、そうした出版物のなかで語られたある学生の経験談を脚色・監督したもののようだ。題材が題材なので全編いろいろと「エロ」はあるんだけど、女性監督(エマニュエル・ベルコ)の作品であることも手伝って、社会的な問題提起を隠し味にした「貧乏女子学生の青春映画」になっている。

題材的には、「大学をきっちり卒業したい貧乏学生が生活費に困って売春する」話なので、「小学生が親に強制されて家族を養うために売春」させられていたり、「中高生が遊ぶ金欲しさに売春」しているこの国の現在を思えばなんら驚きも何もなく、まあ、70年代だったら成立したかもね、という感じだろうか。

でも、売春が違法ではないフランスでこういう話がセンセーショナルになるというのは、やはり、社会階層意識みたいなものが強固に残っているためなのかな、と思ってみたりする。

それはともかく、「貧乏女子学生の青春映画」としては面白い。最初は恐る恐る、しかし必要に迫られて仕事に手を染めた素人そのものの主人公が、身を守る術もなく危ない橋を渡りながら、しかし簡単に手に入る大金で感覚が麻痺していく心理をうまく描き出していて面白い。

それに、ラスト。学位をとって卒業し、仕事を得てもなお、十分な収入を得ることが出来ずに過去の稼業を続けていることを示唆して、個人の特異な体験談ではなく、背後にある構造的な問題を浮かび上がらせているあたりが、作り手の「ただのエロ映画では終わらせない」意気込みを感じさせて、印象に残った。

もう少しましな扱いを受けてしかるべき作品だとは思うんだけどな。これ。

2011/09/20

恋する宇宙(2009)

Adam (☆☆☆)@WOWOW録画

あー、何を期待したら良いのか分からない、意味不明な邦題ですが。

原題はAdam、主人公の男の名前ですね。で、この男、あきらかに日常生活に難儀を生じるレベルのアスペルガー症候群なわけ。彼を庇護してきた父親を失い、折からの不況で(父親の後ろ盾によって就くことができた)職も失ってしまう。この男が、同じ建物に越してきた代用教員をしている女性と出会い、恋をし、次第に交流を深めていく。これは、そういう真面目で苦目なロマンティック・コメディ(だけど、コメディのほうにはあまり重心がない)なのね。ちなみに製作はお馴染み"フォックス・サーチライト・ピクチャーズ"だから、お気楽なデート・ムービーではないことは、自明。

この映画は、わりと面白い。互いに好意を抱いていても、その距離を縮めるため、互いに乗り越えなくてはならない大きな障壁を抱えたカップルの話という意味では、普遍的な物語でもある。また、夢物語のように甘い話にはなっていない。乗り越えられない一線もあるのだ。でも、つらい現実を追認して終わるような冷たい映画ではない。ほんの少しだが、将来への希望を垣間みせて幕を閉じる脚本はとても後味がいい。

男の発達障害をどのくらい正確に描いているかはわからない。が、この映画の主人公は"「王様は裸だ」と声を上げてしまうある種の純粋さ(とKYさ)を持ち合わせた子供"と重ねあわせて描かれている。周囲に庇護されてきたがゆえの、精神的に未成熟なところを持った青年だ。女性は主人公のそんなところに惹かれるが、それゆえに素直なハッピーエンドには向かうことができない。

で、男が宇宙、天体観察等にも興味を持っているエンジニアで、自室がプラネタリウム状態になっていることが・・・「宇宙」?なんだよね。きっと。

2011/09/18

恋する履歴書(2009)

Post Grad (☆☆★)@WOWOW録画

これ、未公開映画かな。WOWOWの放送を録画してみた、原題 "Post Grad" 、卒業後、といったところか。

大学を卒業した主人公の女の子が希望する出版会社に就職できず、あちこちに応募するもうまくいかず、同級生で東海岸のロースクールに行くか迷っている恋人ともしっくりいかず、隣に住んでいるブラジル人CMディレクターといちゃついてみたりしながら、自分が大切に思うものは何かに気がついていく話。

邦題だと、溌剌とした女の子を主人公にして、就職活動頑張ります!というのか、「就職戦線異状なし」+ロマンティック・コメディみたいな印象をうけるが、恋に仕事(就職活動)に頑張る女の子の話ではないんだな。

終盤、せっかく手に入れたチャンスを平気でふいにするし、この子がどういうキャリアを築いていくつもりなのか、さっぱり謎。そのあたりを何も描かないまま「ハッピーエンド」にしてしまうという意味で、そもそも「女の子とキャリア」をテーマにした映画ではないっちゅうことだろう。ただ、もともとそういう映画ではないとしても、ちょっとそのあたりは釈然としない。女性監督なんだから、なおのこと、違った描き方があったんじゃないかと思う。

主役を演じるアレクシス・ブリーデルという女優さんは可愛い。"The Sisterfood ofthe Travelling Pants" (邦題忘れた)シリーズが一番代表作っぽいようだけど、それを見てないので主演扱いで見るのは始めてだ。彼女の家族が描かれるウェートが高いのだが、少しユニークで愛すべき父親役としてマイケル・キートンが出演していて、なかなか良い味を出している。

監督のヴィッキー・ジェンソンって、アニメ畑の人で、ドリームワークスの『シュレック』『シャーク・テイル』で監督としてクレジットされているんだね。実写は始めてなんじゃないの?

2011/09/16

読書の秋ってことで

ここのところ、ガイ・リッチー監督の映画『シャーロック・ホームズ』、NHK-BSでも放送されたBBC製作のドラマ『シャーロック』と、アーサー・コナンドイルのシャーロック・ホームズをネタにしたものでいろいろ楽しませてもらっている。映画版は目立たく続編 "Game of Shadows" が製作され、日本での公開も来年春に決まったし、21世紀、現代のロンドンを舞台にした『シャーロック』も、きになる続きの制作が進んでいるようなので、とても楽しみにしている。

しかし考えてみると、この有名な探偵の物語、私はどうやら小学校の図書館で読んだ子供向きに編纂されたバージョンをひととおり読んだだけで、あとはグラナダTV制作版のNHK放映バージョンだったり、宮崎駿の犬のやつだったり、アンブリン製作の『ヤング・シャーロック』のようなもろもろの二次創作物を見ただけで、きちんと読んだことがなかったんじゃないかと思いあたった。それで、これを機会に光文社文庫から出ている『新訳シャーロック・ホームズ全集(全9巻)』を買って読んでみることにしたわけですよ。読書の秋っていうしね。

電車の中などでちょこちょこ読んでいるのでまだ3冊めまで読んだところ。『緋色の研究』『四つの署名』、『シャーロック・ホームズの冒険』と読み進んできた。概ね発表順?に読んでいこうかなぁと思っている。

この新訳版、訳がこなれていてとても読みやすい。また、普通に物語を楽しむ上で必要にして十分な注釈もあるし、文庫本にしては装丁も上質であると思う。また、昔に刊行されたこういう古典的な作品の文庫は、文字が小さかったり、行間が詰まっていたりで、読んでいて疲れてしまうので敬遠していたところがあるのだが、やはり新しく刊行されただけのことはあって、そのあたりも現代基準になっているからたいへんありがたい。

ガイ・リッチー版や、BBC『シャーロック』などで強調されて描かれるホームズの変人ぶりや危ないところ、単なる頭脳派だけでなく、実は腕も立つというようなところなどは、最初、勝手なイメージとして頭の中に作り上げていた「ホームズ像」とは乖離があって面食らったが、こうしてあらためて読んでみると、みんな原作の中にしっかりと書かれていることばかりなんだなぁ、と感心している。グラナダ版のドラマでも映像化されていたみたいだが、そういう印象は持っていなかった。NHK放映版では編集があったのか、それともあまり気を止めずに見ていただけだったのかなぁ。

ところで、電車の中で本を読んでいると、iPhoneをいじる時間が減って、そのぶんだけバッテリーの持ちがよくなるものですね。。。

2011/09/12

スプライス(2009)

Splice (☆☆☆)@ WOWOW録画

劇場公開時に見損なっていたので、WOWOWでの放送を録画してみた。監督には、『CUBE』で一世を風靡したヴィンチェンゾ・ナタリ。主演にサラ・ポーリーとエイドリアン・ブロディ。ゼメキスとシルバーが立ち上げたホラー映画レーベル「ダークキャスル」の名があるが、完成品をみたダークキャッスルが配給権を買ったんだとさ。なんだ、そういう経緯だったのか。

遺伝子操作実験をしている科学者たちが使命感と科学的興味にかられ、実験で創りだした生物に人間のDNAを埋め込んだことから始まる話である。あまり事前の情報を持っていなかったので、最初に登場するチンコのような薄気味悪い生き物に知恵でもついて、密室となった研究設備内でこのクリーチャーと死闘を繰り広げる『エイリアン』みたいな話を想像していた。

しかし、みるみる成長した「生き物」は、コミュニケーション可能な高等知能をもつ「人間の亜種」に育っていく。人の手で作られた、人ではないモンスター。これは「フランケンシュタインの怪物」のバリエーションだったんだね。

しかも、この映画は、更に先にいく。この生き物に服着せて、化粧もさせて、誘惑されたからってセックスしちゃったり、反対にレイプされちゃったり、もうタイヘンな展開になるんですから。ええ。

だいたい、物語的には人が作った新種の生き物なのかもしれないが、どこぞの美人女優さんが特殊メイクとCGI加工で演じるこの「生き物」ってば、いってみりゃ、奇形人間なわけですよ。哀れなことに、この嫌がる奇形人間を監禁し、縛り付け、服ぬがせ、尻尾を切り落とし・・・って、ああ、それだけで、なんともヤバイ感じが漂ってくる。そこがこの映画の面白さだ。

映像的にグロいのは最初に登場したチンコみたいな生き物が互いに角出して殺し合い、血塗れになるシーンくらい。そこはストーリー的には意味のある伏線になっているけれど、描写の仕方はあからさまな観客へのサービスだといえよう。映画の基調になっているのは、人のようでいて人ではない生き物の生理的な薄気味悪さと、人間がそういう生き物を創りだして自分の自由にコントロールしようとすることに対する倫理的、宗教的な問題提起。割と面白かった。この映画の終わり方からすると、、、『ザ・フライII 二世誕生』みたいな続編ができちゃったりしてな。

2011/09/05

"The Man with No Name" 3本揃った!


円高に負けて購入した北米盤BDが何枚か届いた。今回届いたものの中にあった2本と、前から持っていた1本で、セルジオ・レオーネ監督、クリント・イーストウッド主演のマカロニ・ウエスタン三部作が揃った。並べてみると、なかなか壮観。

1)Fistful of Dollars (『荒野の用心棒』)
2)For a Few Dollars More (『夕陽のガンマン』)
3)The Good, the Bad, and the Ugly (『続・夕陽のガンマン地獄の決斗』)

この三本、明確にシリーズと意識されて作られたわけではないけれど、ポンチョを身に纏って葉巻を加えたイーストウッドのキャラクターが作品中、あだ名で呼ばれていて本名不詳であることから "The Man with No Name" 三部作と呼ばれている。

3本セットはしばらく前から出ていたようだが、先に単品で出た "The Good, the Bad, and the Ugly"を買っていたので、それ以外の作品がバラ売りされるのを待っていたんだよね。

さて、台風が来るっていうので出かける予定を取りやめていたこともあり、週末に今回新しく届いた"Fistful of Dollars"と"For a Few Dollars More"を見た。

国内用のプレイヤーでかけると、両方とも日本語で警告文などが出るのだが、本編に日本語字幕や吹き替えは入っていない。あれ、"The Good, the Bad, and the Ugly" は入っていたような気がするんだけどな。まあいいや。

内容は、正直、僕なんぞが説明するまでもないのだが、一応書いておく。

"Fistful of Dollars"は邦題『荒野の用心棒』が全て言い表しているように、黒澤明『用心棒』の翻案。流れ者が町に現れて、悪党の2大勢力を敵対させて壊滅させるというものだ。100分程度の尺でタイトにまとまっていて面白い。この映画、僕の世代の映画では『バック・トゥ・ザ・フューチャーPart II, III』で引用されているのが有名。『Part III』の決闘シーンは本作へのオマージュであり、パロディだ。

"For a Few Dollars More"は、2人の賞金稼ぎが時に協力しあい、ときに裏をかきながらも札付きの悪党一味を追うという話。前作より長い130分くらいの尺になっている。イーストウッドとリー・ヴァン・クリーフがダブル主演という感じになっているのだが、イーストウッドのライバル・キャラクターを演じているリー・ヴァン・クリーフがものすごく格好いい。登場した瞬間から心を奪われる佇まいだ。ひとつの町で完結した前作より、スケールも大きくなっている。もちろん、予算がアップしたからだろう。どちらかというとこっちのほうが好きだなぁ。

せっかくだから「3本立て」にしようと思ったんだけど、"The Good, the Bad, and the Ugly"は今回は見返すのを断念。だって、これ2時間40分くらいあるんだよ!隠された財宝をめぐってタイトルどおりに3人の男が争う話で、この3本の中では間違いなく一番の大作で、米国で一番人気があるのもこれのようだ。

3本目を見る代わりに、西部劇気分でワイルドなチリを作って夕飯のおかずにしてみた。まあ、そういう気分だったということで。

2011/08/29

LinkStation のファームウェア更新でLionに対応したよ

MacOSをLion にアップデートしてから、この一ヶ月と少しのあいだ、設定してあった TimeMachine が毎回エラーを起こしてバックアップがとれていないことに気がついた。

いろいろ調べていたら、なんのことはない、バックアップ先として使っている Buffalo の NAS、Link Station (LS-WXL/R1シリーズ) が Lion での TimeMachine バックアップに対応できていなかったのがその原因だと分かった。

メーカーサイトで最新のファームウェアを入手し、8月11日に公開された「Ver.1.54」とかいうのにアップデートをかけたら一発で問題解消した。これで一安心。

今回気がついたのだけど、けっこうこまめにファームウェアの更新版がでているものなんですね。

NAS管理用のNAS Navigator 2 はAppStoreでの配布が始まったので、バージョンアップなどの確認や更新が楽なのだけど、ファームウェアはメーカーサイトをこまめにチェックするしか方法がないのかな。

2011/08/27

邦題でインデックスを作ってみたよ!

今更ですが。邦題でインデックス作ってみました。

Movie Review Archive にあるものだけで、こちらの blog にTVで見ておいてこちらに書きなぐっている感想は入れてないですが。

まあ、昔からへそ曲がりなもので、映画のレヴューは原則として英語のタイトルでインデックスを作っていたのですが、せっかくみにきてくれる人に不親切極まりないよな、と思って、Google サイトを使って邦題インデックスを作ってみたというわけです。

これだけ検索が便利になったんだから、もはやインデックスなんか作る意味が無いような気もするけど。

ただ、自分が他の人のサイトを見に行ったとき、やはり、blog のインデックスだけでなく、一覧的にみられる頁があると便利だよなぁ、と思った人するのも事実なので。具体的な何かを探しているというのではなく、ここって、何があるんだ?と目次を覗いてみる感じとでもいうんですかね。

どんなもんすかね?

2011/08/26

屋根裏のエイリアン(2009)

Alien in the Attic(☆☆☆)@WOWOW録画

WOWOWの録画でみた、国内劇場未公開作品。親戚と一緒に避暑地にやってきた少年少女が、地球侵略にやってきた少々間抜けな宇宙人の先遣隊と遭遇し、大人の手を借りずに撃退するためにドタバタのバトルを繰り広げる。

子供たちを主人公にした、ファミリー向け(というか子供向け)のアドベンチャーものというジャンルは、おそらくそれなりに作られているのだろうけれども、なかなか日本の劇場では公開されない今日この頃。名の知れたスターもいなければ、ディズニーとかの冠もないのだから、まあ、そういう扱いもむべなるかな、である。

だけど、これ、そこそこ面白いんじゃないのかね。子供向きだと割り切った甘い作りではあるけれど、86分、お約束事も含めてきっちり楽しませる良心的な作りだと思う。ひまつぶしには悪くないよ。

地球侵略とかなんとかいっているのに片田舎の別荘にやってきて子供たちとバトルを繰り広げる小型で間抜けな宇宙人は、どこか「ケロロ軍曹」かなんかに触発されたんじゃないかと思わせるものがある。また、地球存亡の一大事(本当か?)だというのに、大人はあてに出来なくて、子供たちだけで何事もなかったかのように対処しなければならないという筋立てや、その闘いが屋上から地下室まで、一件の家の中だけで完結するという発想は、藤子F的な裏庭SF風だったりもする。しまいにゃ、ビッグライトで巨大化したりするしな。うん。

尺が短いぶんだけ、親子や家族の絆、みたいな米国映画お得意のお説教が少なめで、大人を蚊帳の外に押しやってしまっているところが、子供目線では良いバランスに思えるかもしれないな。

音楽担当ジョン・デブニー。昔からこういうファミリー向けのコメディっぽい作品では良い仕事をしている印象。しかし、超多忙なはずのに、こんなものまでやってるってのは大変だよなぁ。

2011/08/25

Steve Jobs の退任。。。

http://www.apple.com/pr/library/2011/08/24Letter-from-Steve-Jobs.htm (Letter From Steve Jobs)

十数年前、僕の周囲で、多少なりともビジネス領域の勉強を志していたような人たちに「尊敬する経営者は誰?」と尋ねたら、猫も杓子もがジャック・ウェルチ、などと答えた。僕はそういう質問をされると、きまってスティーヴ・ジョブスと答え、失笑を買っていた。彼が Apple に復帰し、最初の iMac を成功させていたころの話だ。

(もっといえば、彼の会社 "Pixar Animation Studio" が、Toy Story を大成功させ、まもなく2本目ノ長編をリリースしようとしていた頃で、ジョブスとゲイツを扱ったTV映画 "Pirates of Silicon Valley"が放映されるより少し前の話だ。)

そのとき、場違いなことをいう僕のことを笑ったうちの何人かは、その後、彼がAppleで成し遂げたことを歯の浮くような言葉で賞賛してみせているに違いないさ。そうだろ?

iPod が最初に発表されたとき、iTunesに溜め込んだ楽曲を持ち歩くのに素晴らしいデバイスを出してくれたと真っ先に予約して買った時のことも覚えている。MDなんかに比べたら、馬鹿でかくて重たい小箱は、やっぱり周りの友人の嘲笑の対象になった。信者だから何でも良い製品に思えるんだろ、って。いや、当時、主流だった音楽プレイヤーを作っていたメーカーのひとたちも、あれを見て、バカにして笑っていたに違いないさ。

そのとき笑ったひとたちもまた、今ではいPod, iPhone, iPadのユーザーになっちゃったりして、iTunes Storeからダウンロードでいろんなモノを買っているんだろうね。あるいは、ビジネスをひっくり返されて、悔しくて、地団駄踏んでいるのかもしれない。

まあ、世間なんてそんなものさ。

そういう「世間」は、いま、投資対象としてのAppleの将来を値踏みするのに忙しいんだろうね。

いつかはそういう日がくることを覚悟していたけど、ジョブスがCEOの座を降りると、もはやその職務をこなすことができる状態ではないと聞いて、やっぱり感情が乱されたよ。どこかの会社の経営責任者が退任する、というニュースに、これほどまでの気持ちを抱いたことなんて一度もなかったし、これからもそんなにあるもんじゃないと思う。

多分、僕が、彼のことを「経営者として」尊敬しているという言い方は間違っていて、この世の中に1度ならず何度も何度も素晴らしい革新を生み出して、誰かの想像でしかなかったアイディアを形にして、生活を楽しくしてくれた「人」として、尊敬しているんだ。それは、おそらく、十数年前から、いや、もっと前に、はじめてAppleの製品と出会った頃から、そうだったんだと思う。

これまでありがとう、そして、これからも、いましばらく、よろしくお願いします。本当に。

トチローが「アルカディアの心」になったように、ジョブスが iCloud に自分をそのままアップロードして、「Apple 製品の心」になって、僕たちユーザーと電脳の海を永遠に旅してくれたらいいのにな。。。なんて、思うこともあるんだけど。

2011/08/03

バウンティ・ハンター(2010)

The Bounty Hunter (☆☆★)@WOWOW録画

昨年見損なっていた1本が放送されていたので録画して鑑賞。「300」のジェラルド・バトラー主演で「賞金稼ぎ」ってんだから、どんなハードなアクション映画かと思うかもしれないが、これは彼とジェニファー・アニストンを組み合わせた、スクリューボール・コメディだ。

映画にも時折登場するバウンティ・ハンターは、公判に出廷しなかった被告人を追跡して捕まえ、その被告人が逃げてしまえば没収されることになる「保釈金」を貸し付けていた保釈金金融業者から報酬を得る職業だ。映画ファンには、ロバート・デニーロ主演の『ミッドナイト・ラン』でお馴染みだよね。

この映画では、ジェラルド・バトラー演ずるバウンティハンターが、とある事情で逮捕されていたのに公判を欠席し、お尋ね者扱いになってしまったジェニファー・アニストン演ずる新聞記者を捕らえる仕事を嬉々として引き受けるのだが、この二人、実は元夫婦。ジェラルド・バトラーとジェニファー・アニストンの組み合わせも悪くないし、うん、これは面白い設定だ、と思うよね。

ここに、ジェニファー・アニストンが追っていた事件の犯人やら、ギャンブル好きのジェラルド・バトラーに貸しのある金貸し、ジェニファー・アニストンに一方的に思い入れを持つ同僚などが絡んできてややこしくなり、その一方で、本当は好きなのに憎み合っていた2人が次第に寄りを戻していく、という、そういう話である。うん、これは面白くなりそうだ、と思うじゃない。

しかし、映画は快調なスタートをきったあと、中盤以降なぜかグダグダに失速していき、せっかく面白くなりそうなネタが、なんかわりと平凡なところに着地してしまう。謎解きやサスペンスを絡めて物語の推進力にしようとするのはよいのだが、話がそこに踏み込めば踏み込むほど、犯罪者としても、コメディとしても面白くなくなっていくのである。

ジェニファー・アニストン、完璧なスタイルで見た目は美しいが、やっぱり演技はあんまりうまくないよね。テレビで人気が出たあと、映画で代表作と呼べるものを持っていないのは、やっぱりそういうところじゃないかな、などと思った。本作はロマンティック・コメディ系統で重宝されているアンディ・テナントが監督。過去にはジョディ・フォスター、ドリュー・バリモア、ケイト・ハドソン、リース・ウィザースプーンらの出演作を手がけているんだけど、うーん、どれも平凡なんだよね、やっぱり。

2011/08/02

DNSサービスの移行作業中

ずっと利用していた無料のDNSサービスが有料プロバイダーに飲み込まれて移行を促されたため、そのアカウントを閉じ、別のDNSサービスを利用できるように設定の変更を試みています。

このページ、もしくは Movie Review Archives は直接関係ありません。が、ここにくる前に(ほぼ放置中の)www.takstyle.net のトップページのリンクを経由している方もいらっしゃるようです。www.takstyle.netの URLで、件のトップページが表示されるようにあいだをとりもっているのがDNSサービスです。

中途半端な知識と片手間で作業したので、うまく移行できない可能性が多々あり、その場合、www.takstyle.netの URLでは例のトップページにつながらなくなるのではないかと思います。設定がうまくいっていても、移行設定が反映されるまでのしばらくのあいだ、うまくつながらないこともあると思います。(上手く行かなかった場合、あきらめる場合もあります)

サイトの記事がなかなか更新されなかったり、トップページが表示されなくなっても、私がどうにかなったわけではないということだけご理解いただければと思います。はい。

2011/07/28

9 ~9番目の奇妙な人形(2009)

9 (☆☆☆)@WOWOW録画

劇場で見損なっていたティム・バートン製作、シェーン・アッカー監督によるCGアニメーション『9 ~9番目の奇妙な人形』をWOWOWの録画で観た。普段は字幕版を好んでみるのだが、今回はたまたま放送があるのに気がついて録画したため、吹替版での鑑賞。

お話しは、戦争で人類が滅びた後の地球で目覚めた麻袋で作ったようなデザインのロボット人形「9」が主人公。彼が自分と同じように、背中に番号がふられた仲間たちと出会い、さらわれた仲間を助けようと冒険を繰り広げる中で自分たちの存在の意味を知る。というもの。少しダークな感触の、寓話仕立てのファンタジーだ。

もともと監督が作った短篇があり、それを気に入ったバートンが製作を買ってでて長編化された作品なのだそうだ。独裁者が起こした戦争、テクノロジーの暴走、人間と機械の最終戦争、人類滅亡後の世界といった背景設定や世界観は、手垢がついたものである。また、生き残った人々(というか人形たち)のコミュニティにおける人間(というか人形)関係のドラマも、まあ、既視感があるわな。人類を滅亡へと追いやった機械の化け物のデザインなども、どこかでみたイメージの借用である。

が、それでもこの作品を面白く観た。一つ一つの要素は確かにとりたてて新しくはないが、ひとつの作品にまとまると化学変化を起こし、何がしかのオリジナリティが立ち上がってくるように思うのだ。だいたい、メインストリームのファミリー向け商業アニメーション作品としてはかなり異色のテイストである。そして、そこにこの作品の魅力と価値があると思うんだよね。

麻袋で作ったような人形たちのデザインが面白い。製作を手がけているティム・バートンが好きそうだな、と思う。麻袋っぽいといえば『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』に出てきたブギーに似ているし、ツギハギっぽく糸で縫い止めたりするのが、サリーだったり、キャット・ウーマンの衣装だったりを彷彿とさせる。単純なようでいて、9体それぞれの個性をデザインに反映させていて、なかなか楽しいしよく出来ている。

最後あたりの展開は、ちょっと意味不明。「生きている」というよりは、取り込まれたまま行き場を失った魂を解放するということだとは思うんだけど、日本語吹き替えだったので、もともとどんな台詞になっていたがわからないところにフラストレーションを感じる。やっぱり、オリジナル言語で聞きたい。

2011/07/22

ダブル・ミッション (2010)

The Spy Next Door (☆☆)@WOWOW録画

ジャッキ-・チェン主演のライオンズゲート作品『ダブル・ミッション』を観た。原題は"The Spy Next Door" a girl next doorならどこにでもいる女の子、だけれど、spy なんてそうそう近所にいてたまるかよ、的な洒落ですな。

で、実際、本作のジャッキー・チェンは、筆記具の輸入販売業をしている男という触れ込みで郊外の町にひとりで暮らしており、お隣りのシングルマザーと良い仲になっている、というところから話が始まる。本業はスパイなのだが、引退して結婚しようとしているのである。シングルマザーの子供たちはジャッキーのことをダサいおっさんだと思っていて、しかも、母親が結婚するとなると、本当の父親への思いもあって、抵抗を感じている。母親が留守のあいだ、子どもの世話を引き受けたジャッキー。そこに敵スパイの魔の手が迫る。

・・・とまあ、ファミリー向けのコメディ映画なのである。ジャッキー、相変わらず身近な小道具を使った器用なアクションを見せてくれるし、フィジカルな能力の高さはスゴイんだけど、アクション濃度はかなり低い。しょうがない、だって監督はブライアン・レヴァントだもん。シュワルツェネッガーの『ジングル・オール・ザ・ウェイ』とか撮ってたひとだよ?

しかし、この映画、のっけのところがスゴイんだ。オープニングタイトルで「主人公のスパイとしての大活躍」のダイジェストをみせてくれるのね。だけど、これがなんと、本物のジャッキー映画から抜いてきたアクションシーン総集編なのだ。なんか、米国進出後の映画の比率が多いのはご愛嬌だが、香港時代の作品、少なくともプロジェクト・イーグルは混ざってる。本編に足りないアクションを、せめてここだけでも堪能ください、ということかね。

2011/06/30

爆音映画祭で『インランド・エンパイア(2006)』を観てきたよ!


吉祥寺バウスシアターで開催中の第四回爆音映画祭で上映された『インランド・エンパイア』をみた。水曜日の夜20:30位からの上映で、たまたま早めに抜けられたのを幸い、これは見るしかないと、吉祥寺に駆けつけたのが18:30。当日券購入で、入場整理券番号115。よっしゃー。

軽い食事を済ませて20:00過ぎに再度劇場にいくと、入り口のテラスに集まった客層が、なんか、想像よりも若いんだよね。まあ、平日夜に3時間の映画を「爆音」で見るためにお祭り騒ぎ的に集まれる時点でそういう客層になるのかもしれない。でも、カップルでリンチとか大丈夫なのか?ふたりともマニアなのか?

『インランド・エンパイア』は劇場公開時に予定が合わず見損なっていたので、これが初見。これはTV画面で見るもんじゃないだろ、と思っていたからなんだが、実際に見てその思いを強くした。『ロスト・ハイウェイ』や『マルホランド・ドライブ』が「実に分かりやすいシンプルな映画」だと思えてくるほど複雑怪奇の意味不明さが3時間続く映画を居間のTVで見てたら、拷問という以前に、まず集中力が持たないよ。

もっといえば、この映画、爆音上映で最適解なんじゃないのか。というか、全てのリンチ映画はいわゆる「爆音」上映が正解なのではないか、と思う。独特のリンチワールドの構成要素としての音、ノイズ、音楽が、映像と対等に存在を主張し始めると、そこに、なにか違った空間が立ち現れてくるように思うのだ。

『インランド・エンパイア』もそう。上映時間のかなりのポーションで、低音やノイズがビリビリと鳴り続けているのですね。爆音と言っても耳が悪くなるような不快な音ではなく、音の振動や音圧を体感する感じだったので、まさに映画の世界を体験するのにはうってつけ。監督本人に見せても、これが本来あるべき上映だと言ってもらえるんじゃないかと思えるほどだ。

まあ、爆音の副産物として、ちょっと音割れとかもあったんだけど、これ、ソースの問題だよね、多分?

映画そのものについて。2007年度全米批評家協会賞 実験的映画賞受賞、という本編前のテロップがツボ。実験的映画賞、だってさ。

お話しは、ある映画のリメイクに主演する女優の、映画の中での話と、私生活における話、それに、リメイクのもととなった映画の中の話と、それに主演した(死んだ)女優の現実の話が、死んだ女優がTV画面を通じてリメイクの女優を見ているという行為と、赤い部屋・ブルーボックス相当の役割を担っていると思しきウサギ人間の部屋を結節点にしてつながっている感じの構造になっていて、それが明確に説明されないまま並行して進んでいく、みたいな。

観終わった直後の頭の中で再構成すると、多分、『ツイン・ピークス』以来のリンチ的世界観の最新解釈で描かれる、「ある女優」の悲劇と救済、みたいな?

あー複雑怪奇。もう1~2度、確認を兼ねてみると腑に落ちそうな気がするのだが、一度じゃ無理だ。

この映画、SDのデジタルビデオで撮影されたと聞くのだが、解像度は悪いし、色や階調も綺麗に出ていない。映像的な美しさや深さ、艶めかしさを求めると不満が残るのだが、作品としては、そんな画質も含めて力技で成立しているところがある。このいかがわしさ、うさんくささは、この低画質な映像に依る部分も大きいような気がする。

それにしても下手なホラー映画より薄気味悪く不安になる空気を映像にできる才能はすごい。が、やっぱりこの映画ちょっと長すぎだよな。30分くらい、無理やり削ってやりたい衝動に駆られるんだけど、それは内緒だ。

2011/06/29

予告編をみて勝手に妄想した『脳内 SUPER-8』のアウトライン

予告編をみて勝手に妄想したSUPER-8。本物は全然違っていたけどね(笑)

・ 目の前で列車が横転し、何かが逃げ出す
・ 逃げ出した何かは、宇宙刑務所を脱走した危険な凶悪生命体
・ 脱走生命体を追って地球にやってきたバウンティハンター宇宙人との出会い
・ 子供たちと、宇宙人共闘
・ 奮戦むなしく生命体逃亡、少年一人死亡
・ 宇宙人は不思議な力で少年を生き返らせ、自分が身代わりに死ぬ
・ やつは冬眠に入る、次に現れるのは30年後だ、、、と遺言
・ 30年たった
・ ハリウッドで働く主人公の周辺で奇妙な出来事
・ やつが戻ってきた!仲間を集めなきゃ!
・ 米軍がハリウッドを空爆
・ 決死の戦いも苦戦
・ かつて蘇った少年は、実は宇宙人が化けていた
・ バウンティハンターが必殺技を繰り出して、敵を撃退
・ バウンティハンター、宇宙に帰る
・ 僕は君の心の中にいるからね、いつまでも
・ 高まる音楽、アンブリンマークで終了

『クリッター』とか、『IT』とか、『ドリームキャッチャー』とか、、、、ああ、ちょっと『ヒドゥン』?

それにしても、近年になく、どんな映画なんだろうと妄想が膨らむ1本でしたねー。

本編はJJにしては「映画」っぽかったけど、彼が「星に願いを」かける人ではないことがよく分かったかな。

2011/06/28

コップ・アウト 刑事(デカ)した奴ら (2010)

Cop Out(☆☆)@WOWOW録画

ブルース・ウィリスはTVドラマ『こちらブルームーン探偵社』の頃からのファンなので、出演作品の全部とは言わないが、ほとんどを見てきている。だが、昨年秋に「シネパトス送り」となったこれ、いろいろあって見損なっていたんだよね。

麻薬密売人を追っていてヘマをうち、1か月間の無給停職をさせられているブルース・ウィリスは、離婚した妻とのあいだに娘がいて、父親としてのメンツをかけてその結婚費用を捻出擦る必要に迫られている。自分の父親から譲り受けた稀少なベースボール・カードを手放す決心をするが、取引中にケチな押し込み強盗にあってカードを盗まれてしまう。同じく停職中のパートナーと共に強盗犯を捕らえてみれば、カードを売りさばいた相手は件の麻薬密売人だと判明する。

ケヴィン・スミスが、メジャー・スタジオで、他人の脚本で撮り、商業的には自身最高(といっても、たかだか4500万ドルくらい)の結果を出したアクション・コメディ。出演は他にトレイシー・モーガン、ショーンウィリアム・スコット、ケヴィン・ポラック、ジェイソン・リーといったところ。音楽がああおなつかしやハロルド・フォルターメイヤーですよ。そうそう、あの『ビバリーヒルズ・コップ』のね。

製作段階の「A Couple of Dicks」から改題。そりゃそうだ。2人の刑事(二本のチンコ)じゃ、まともにTV宣伝も打てやしないだろ!

ケヴィン・スミスは興味深い映画作家ではあるけれども、必ずしも器用な映画職人というわけではない、というところだろうか。映画化前には期待される脚本リストに名を連ねていたこともある本作だが、退屈しない程度の平凡な出来栄えである。脱線・回り道が持ち味な脚本だからこそ、そこはピリっと引き締めて欲しかった。が、けっかはグダグダ。まあ、ケヴィン・スミスだからな。それも想定の範囲内だ。

ブルーノが協力的ではなかったと、出来の悪さを主演俳優の態度の悪さに転嫁したような監督の怒りのコメントが流れていた。しかし、どうだろう。出来上がった映画を見る限り、ブルース・ウィリスはいつものブルース・ウィリスだ。まあ、ヤツのことだから、金のために出演し、適当に流したのかもしれない。が、監督が「プロフェッショナルだ」と褒めてた共演のトレーシー・モーガンがちっとも面白くないことのほうがよほど問題じゃああるまいか。やはり(TV出身とはいえ)百戦錬磨のスーパースターと、TV番組で人気でも映画の実績がほとんどないコメディアンでは、身にまとったオーラが違いすぎるよ。

不仲の原因は、ブルーノがやたらケヴィン・スミスの撮り方に口を出したことらしいね。この手のアクション・コメディにゃ、たしかにブルーノのほうが経験も豊富だし、一家言ありそうなもんだ。

セリフなどを引用する映画ネタが、最初から最後まで盛り沢山。ちょっとやり過ぎで、面白さも半分といった感じだけどね。

2011/06/09

久しぶりにiPhotoでフォトブックを作成してみた

iPhoto を使って、毎年、1年分のスナップ写真をまとめたフォトブックを作っている。ハードカバーの大判で、100ページくらいにまとめると、概ね1万円で作成できる。

昨年、つまり2010年の分を iPhoto 09で作りかけのまま放置していたら、2011年ももう半分近く過ぎてしまった。で、iMac導入を機会に、iPhoto 11でデータを引き継いで一気に完成させ、注文したのが先週である。それから1週間くらいで手元に届いた。

昔に比べると、届くの、早いよね?それとも、注文のタイミングで早かったり遅かったりがあるんだろうか?

以前は海外で印刷製本したものを個別に直送してきていたような気がするのですよ。今回、どうやら郵便局から国内便扱いで配送されてきたみたい。出荷したというメールから到着までの時間を考えると、国内で作ってるわけじゃないよね。もしかしたら、海外でつくったのをいったんまとめて国内に運んでから個別に発送している?いや、勝手な想像なんだけどさ。

しかし久しぶりの注文である。前回作成したのが1年以上前だったこともあって、細かいところがちょこちょこと変わっている。

まず、包装が若干簡素になった。以前は凝った専用の箱に入っていたが、今回は本体がぴったり収まるスリーブ・ケースになっていた。プレゼント用途だったりすると箱も素敵だったけれど、箱のまま本棚には並べないから、今回のようなスリーブのほうがありがたいような気がする。それに、十分に見栄えもするのでプレゼントにも悪くない。

あと、ハードカバーの表紙の材質が、以前のものより分厚く、よりしっかりしたものになっている。ちょっと重たいかも。でも、高級感はアップかな。

あと、もしかしたら、自分が無意識にそういう選択をしていたのかどうか、昔作ったフォトブックでは、カバーをとった本体の表紙の色はどれも黒っぽい無地だったので、今回もそういうものだと思い込んでいたのだ。が、今回のは白。カバーをはずしても、カバーと同じ写真・デザインが本体に直接印刷されている。

・・・これ、作成するときにそういう選択肢があって、無意識にそれを選んだ結果だったりするのかな。どっちがいいという強い好みはないが、これはこれで素敵だ。カバーが破れてしまっても大丈夫だしな。

次回作るときは、もうすこしそのあたりも意識してみようと思った。あまり細かいことを考えていなかったもので。。。

印刷の品質は悪くないが、少し眠たい。写真の色味はオリジナルよりもこってりと濃く、全般的に暗めに見える仕上がり。ここらあたりは前の印象とあんまり変わらない。色味については、これ、わざとそういう仕様にしているんじゃないかという気がしてきた。iPhoto が勝手に補正をかけてくれたりしている?

本棚に、以前作成したものと並べてみた。ページ数はほぼ同じなのだけれど、表紙がかわったせいか少し厚いが、特に違和感はない。毎年、同じサイズのハードカバーで作り続けてきたからね。立派な体裁のハードカバー写真集が、こうね、本棚に順番に並んでいくとね、やっぱりそれだけで楽しくなってくる。そういう楽しさを手軽に楽しめるのは、やっぱり嬉しい。

Aperture からフォトブックを作ると印刷の品質も違うらしいので、ぜひ、それも試してみたい。iPhotoから作るときの自動補正みたいなものがなくて、素直に出力されるのかな? Aperture、導入するか、Mac AppStoreだと格安だし。フォトブックつくるために導入するのも変な話なんだけどさ。

2011/06/06

iMac (2011) 使用雑感

新しいiMacでいろいろ試している。楽しい。快適。

いや、触っていて改めて思うのは、たとえつまんないものでも何かを作るというクリエイティブな作業は楽しいということ。iMacってのは、そういう個人用途においては絶妙な値段とパッケージングになっている、ということ。こういう用途には、当面は、従来の延長線上にある「パソコン」のほうが向いているということ。単にコンテンツを消費するだけの用途にはスマホもタブレットは便利だし、そういう用途でしか「パソコン」を使わない層からの需要を奪っていくのは事実だと思うが、クリエイティブに何かを作るには限界がある。

で、iMac。

iPhotoで写真をいじったり、アルバムづくりプロジェクトを編集したりしていると、反応が早くてとっても快適に作業ができる。iTunes へのCDのリッピングは気持ち早くなったような気もするが、もはやドライブの読み込み速度の問題なのだろう、大きくは違わない。

DVDのリッピングも同様、だが、AppleTVやiPadで共有できるようにiTunes読み込み可能なフォーマットに圧縮変換する作業はCPUパワーを実感できる。PowerMacG5では延々と一晩かかっていたような作業を、ものの何十分でこなしてくれるから流石だ。もちろん、CPU稼働率がすごいことになってる。以前は、TVドラマ1エピソードを変換するだけで一苦労という感じだったが、それよりも短い時間で(DVD1枚に収録されている)4エピソード全部を変換できる。こうなると、棚に眠っているDVDは片っぱしからiPadで可搬なフォーマットに変換したくなってくる。(どちらかというと、映画よりもTVドラマ中心に。1エピソード45分って、外で見るには気軽でちょうどいいと思うんだ。)

ビデオカメラで撮影したHD映像の取り回しも早い。かつて、"iMovie HD" がリリースされたとき、HD映像を自分で作れると思って喜び勇んでHDVカメラを購入したのだが、HDV映像の取り込みや編集は相当のストレスで、あまりいじらなくなってしまった。しかし、これなら大丈夫、これなら遊べる。今回は、喜び勇んで(新型登場間近で安くなっていた) Xacti(DMX-CG110)を買ってきてしまった;

もちろん、これを個々にやっているだけでなく、裏側でDVDのリッピング、変換を回しながら、iTunesで音楽かけて、iPhotoいじる、、、などという使い方をしているわけだ。それでもほとんどストレスを感じないというのがすごい。感動。チョー楽しい。

困っていることがひとつ。このiMacがということではないのだけれど、HDVカメラ(Victor GZ-HD7)からのFireWire経由での映像の取り込みがうまくいかないこと。調べてみると、どうやらこの(メーカー、シリーズの)カメラに独特のファイル形式であるTODファイルが曲者らしい。いろいろ試した結果、今の環境ではFireWireでつなぐのではなくUSBでつないでファイルを覗き、「TOD」形式のファイルを 次から次へと "iMovie HD" にドラッグ&ドロップで投げ込むのが一番楽なのかもしれない、と思っている。iMovie HDで荒編集して、iMovie11で読める形式に書き出す、とか。"iMovieHD" のプロジェクトをiMovie11で読み込ませるとか。しかし、iMovie HDでは、クワッドコア、64bitが活きないのでイマイチだなぁ。Aiseesoft Tod Converter for Mac とか、fmpegX とかで、iMovie 11で直に読める形式に変換してやる方がいいのかな。。。

2011/06/01

ア・フュー・グッドメン (1992)

A Few Good Men(BD鑑賞)

近作、『ソシャル・ネットワーク』でアカデミー賞の脚色賞を獲得したアーロン・ソーキンが書いた舞台劇をもとに、本人脚色の上、ロブ・ライナー監督で映画化されたのが本作。国内盤BD。仕様は取り立てて良いとも悪いとも思わないが、メイキングは4:3のSD映像。おそらくDVD化の時に作ったものだろう。

お話しはこう。

米海兵隊基地で発生した殺人事件。被害者による不法行為の密告に腹を立てた同僚らによる毒殺として早期の幕引きを図るため、司法取引を得意とし、優秀ではあるものの法定に立った経験もない青二才な主人公に弁護が委ねられる。有罪を認めることで有利な条件を引き出そうとする主人公だったが、被疑者らが有罪を認めることを頑なに拒む。この事件に並々ならぬ関心を示す内部監察官はこの事件の裏に「コード・レッド」と呼ばれる上官からの非公式だが絶対服従の命令が絡んでいると踏んでおり、法定で争うようけしかける。疑惑の証明に足る決定的な証拠を掴めぬまま法廷闘争に臨む主人公らの前に、基地の全権を司る大佐が立ちふさがる。

優秀な法定弁護人だった父親に対するコンプレックスを持っていた主人公が、怪物的な大佐と対峙する試練を通じ、一人前になっていく物語になっている。

主人公がトム・クルーズ、同僚にケヴィン・ポラック、監察官にデミ・ムーア、検察にケヴィン・ベーコン、大佐にジャック・ニコルソン。その側近に今はなきJTウォルシュ。その他基地の海兵隊員の役でノア・ワイリーとかキューバ・グッディング・ジュニアとか、キーファー・サザーランドとか。被疑者のひとりにジェームズ・マーシャル。バーのシーンでアーロン・ソーキンのカメオ出演あり。なかなか豪華。

アーロン・ソーキンが、海軍基地での司法業務経験のある姉の経験から膨らませて創作した軍事法廷劇。通常の法廷と違って、軍隊ならではのしきたりであったりルールであったりが独特で、面白い。

「コード・レッド」ってのは、シゴキというか、カワイガリというか。組織的かつ暴力的な制裁行為。殺された被害者本人からの強い転属依頼が出されていたが、転属の命令を出す代わりにキッチリと根性たたき直してやれや、と命令を出した大佐。しかし、いろんな偶然が重なって、相手が死んでしまう。慌てた大佐らは真相を隠蔽し、証拠も湮滅し、トカゲの尻尾切りをしようと図ったというのが真相。転属命令を偽装し、毒殺を偽装し、フライト記録を抹消し、偽証した。それを以下に証明するか、絶対的権力を持つ上官をいかに追いつめるか。そこが見所。

ちなみに、事件の起きた海軍基地というのは、悪名高きグアンタナモだ。この基地はキューバにある。ここは米西戦争を起源とし、カストロ以前のキューバ政府から米国が「永久租借」したものである。現キューバ政府の立場としては「不法占拠」ということになろう。米国内法もキューバ法も適用されず、軍法だけが適用される治外法権区域だという。

まあ、どうってことのないストーリーではあるが、構成とダイアローグの巧みさ、役者の熱演で最後まで面白く見られる。ジャック・ニコルソンの怪演、クライマックスでの名台詞(I want the truth! に対し、You can't handle the truth! と怒鳴り返すやつ)はつとに有名で、あちこちでパロディにされた。登場してひとことふたことしゃべるだけで場の雰囲気を一変させる迫力は流石だ。周囲の若い役者たちがみな引きずられて、演技のレベルが相対的に上がってるよね。

この映画、面白さの多くがダイアローグによっていることが、日本であまり人気がない理由の一つだろう。字幕や吹き替えじゃ、なかなか面白さが伝わらない。それに、やる気のない邦題な。変に冠詞をとるのは良くないと思うが、だからって、こんなタイトルにするなよ!

2011/05/31

iMacにセキュリティソフトを導入

.Mac、つまり、いまでいう mobile me の特典にアンチ・ヴァイラス・ソフトが含まれていた時代もあったが、それ以降、あんまり金をかけていなかったセキュリティ対策。

新しくハードを入れ替えた機会でもあるので、MacApp Storeに並んでいた "VirusBarrier Plus"を導入してみた。常駐監視やら道のヴァイラスの検出はしてくれない模様だが、スキャンのスケジューリングできるし、週に2回くらいは定義ファイルが更新されるらしい。

まあ、当面これでいいや。

2011/05/29

iMac (2011) 届いたよ! (3)

iMac (mid 2011) 21インチを Corei7、8GB DRAM、2T HDDにBTOして購入した。(1)では発送から届くまで、(2)では開梱から移行までを書いたので、おまけのようではあるが、今回は、16GBへのメモリー増設について書いておく。

そう、amazon.co.jp で購入した増設用メモリーが届いたのだ。早速作業だ。

買ったのは、BUFFALO Mac用増設メモリ PC3-10600(DDR3-1333) 4GB×2枚組 A3N1333-4GX2/E。およそ1万円。安くなったもんだ。大昔、LCに4MB増設したときとは比べようもないな。

この商品は、「Mac用」となっているので、多分、検証済なんだろう。ユーザーレビューなどで、すでに増設して問題ないといっている人もいる。いつもは安いバルク品を買いに行っているんだが、そこそこ安いし、リスクが低いし、手間なしで便利だろうと思ったので選んだ。

で、早速、"Everything Mac"に従って作業。

まず、iMac システム終了後、全てのコード類を引っこ抜いて画面を下にして置く。(念のため、画面が傷がつかないように何かを敷いたほうがよいだろう。)

スペースがあったので、作業しやすさもあって机の上に置いた。画面下部に相当するところに、メモリ・スロットがある。普通のプラス・ドライバでネジを三つ外し、スロットのフタを開ける。

フタの中は、2行2列、合計4つのスロットがある。8GBで買ったので、画面を下向きに置いた状態で上の側にある2つのスロットそれぞれに、4GBのメモリがささった状態になっていた。

メモリの外側に樹脂製のベロというか、フィルムのようなもの(タブというらしい)があるので、これを外すとメモリーの抜き差しできるようになる。

静電気に注意しながら(つまり、作業前に静電気を逃がしてやり)、左右裏表を間違えないように、空いた2つのスロットそれぞれに、水平に新しいメモリーを差す。また、それなりに固いので、焦らず、水平・並行に、バランスよく、親指である程度力を入れながら押しこむ。

左右裏表の判断は "Everything Mac"の説明図にあるメモリ基板上の「切り欠き」で判断できる。「切り欠き」を右にして、となっているが、まあ、中央寄りは右にあるよね、といった程度で極端に右によった位置にあるわけではないことに留意していれば、迷うことはあるまい。今回のメモリーでは、なんだかしらんが注意書き(?)のシールが貼られている側が上になった。

メモリーを正しい位置まで差すと、カチッというようなクリック感があり、音もする。できるだけ平行に差していくのだが、メモリーの右側、あるいは左側だけが先に奥までささると、もう片方がきちんと刺さっていなくても音がすることがあるので注意。まあ、既にささっているメモリと比べれば、まだ奥に入るのか、そうでないのかは分かる。

差し終えたら、フィルム上のタブを元のように戻し、ネジでフタを閉じる。ものの数分の作業。iMac、メモリ増設・交換は構造上楽にできるようになっている。これまでいろんなマシンに自分で増設してきたけど、いちばん楽な部類だった。

フタを閉じて全部をつないで電源投入。アップルメニュー「このMacについて」で、あっさりと16GB認識していることを確認。念のため、システムプロファイラを開いて、メモリ・セクションで詳細も確認。あー、16GBになったぞ。素晴らしい。これで、名実ともに今まで所有したMacの中で最強だ。

2011/05/24

iMac (2011) 届いたよ! (2)

さて、前回(1)では「出荷」から届くまでを書いた。出荷が文字どおり工場からの出荷であって、国内にきて、届くまでに思わず時間がかかったことに少々驚きを感じたので、そのことを書いていたら長くなってしまった。今回は、開梱から移行について書く。


さて、本当は27インチいっとくか、と思ったが、自制心を働かせて21インチにしたiMacである。しかし、それはそれ、それなりの大きさと重量のある箱である。開封して机にのせたら、あるいは使っているうちに感想も変わるのだろうが、箱が届いた時点では、21にしておいて良かった、と思わないでもない。

茶色の箱から化粧箱を取り出すのが意外と面倒。サイズがぴったりなので、逆さまにして重さで落ちてくるかと思っても、なかなかでてこない。横に寝かせて、化粧箱側についている持ち手で引っ張り出すのが一番良い。

で、開封。箱の中四隅の発泡スチロールで本体を固定、同梱物電源コード以外の同梱物は白い箱にひとまとめにして入っている。iPhoneやiPadのような感動的な凝縮感はないが、機能的、合理的にパッケージングされていることには違いがない。

今回、本体以外の同梱物は BrueToothのワイヤレス・キーボードとマジック・マウス、電源コード、説明書(Everything Mac)と、それ以外のもろもろをまとめた箱(ライセンス条件やら、OS/Applicationの光学ディスク2枚やら、アップル・ステッカーなど)。キーボードをUS仕様にしたほかは、追加の注文をしていないので、これが標準的な同梱物ということになるだろう。

"Everything Mac"には、スタートアップ的な説明から、メモリ増設方法から、ひと通りのことが書かれている。その小冊子の最初のページに、「このiMacはあなたのために生まれました」とか書いてあるのな。うーむ、こういう一言が泣かせるよね。昔からそういうくすぐりが上手な会社だ。

その他もろもろの中には、「リサイクル用のステッカー」も同梱されている。これを外から確認できる場所に貼っておくよう、とのこと。これが回収時のリサイクル料金が商品代金に含まれている証明になるので、なくすとリサイクル代が別途かかるという。このステッカー、納戸で寝ている古い iBook に貼って回収してもらおうかな、などと考えてしまった。そういえば、PowerMacG5のときもステッカー同梱があったかも。しまいこんじゃったな。。。

さて、箱から出したら、電源を入れて、移行作業だ。

移行元環境は、PowerMac G5 (2005) Single 1.8GB、12GB メモリー、80GB HDD (システム等)+ 350GB HDD (=iTunesライブラリ専用)OSは10.5。これを、LAN上の HDD(NAS)に保存されている TimeMachine のバックアップ・ファイルから移行しよう、というのが計画。

ここで当たり前のことに気づいた。現行iMacにはもうFireWireの古い方のインターフェイスはないんだね。NASのTimeMachineバックアップから以外の選択肢も考えていたのだが、FireWire800用のケーブルを持ってないから、ターゲット・ディスクモードは無理だ。NASを直付しようかと思ったら、これも当たり前かもしれないが、NAS側にあるのはHDD増設用のUSBインタ^フェースだけだった。事実上、NAS⇒LAN経由で移行するほかに選択肢がなかったわけだ。

さて、箱から取り出してiMacの電源ケーブルを本体に指し、電源につなぐ。左下裏にある電源スイッチを押してマシンを立ち上げると、いつもおなじみの起動音に引き続き「ようこそ」ムービー。ワイヤレス・キーボードとマウスには開封時にすでに電池(Energizer製)が入っており、本体とペアリング済らしい。素晴らしい配慮。画面での指示に従って、それぞれの電源を入れ、マウスをクリックしたりしていると、すぐにiMacが認識してくれる。

このあたりの手順は、同梱の説明書"Everything Mac" に書いてあるので、読みながら進めれば良い。

続いて、設定アシスタントが起動する。移行元の選択肢を聞かれるので、Time Machine のバックアップ・ファイルを選んだ。この時点までにLANも検出し、パスワードを入力すればすぐつながって、ネットワーク上のNASが見えた。簡単簡単。

今回の場合、NASの中には移行元の2つのHDDそれぞれに対応したボリュームがあって、システム等に相当するボリュームを指定すると、次のステップに進む。移行対象とするファイル(ユーザー、設定、アプリケーションetc.)の選択肢が画面に現れ、容量の計算を始める。必要なものにチェックを入れ、いらないもののチェックを外し、あとはクリックして移行が終わるのを待つだけだ。

まあ、長いあいだ待つことになるんだが。今回、システム等のボリュームからの移行ファイルはトータルで200GB未満だったが、4~5時間はかかった。

移行が終わると、登録画面。名前、住所、メールアドレスなどを記入してAppleに送信。その後、移行元環境で見慣れた画面で立ち上がる。


ここまでで、気づいたこと。

・TimeMachineのバックアップファイルから移行するというのは、バックアップファイルを使って環境を復元するのとは異なる。必要な設定やアプリ、ドキュメント等を抽出して移行するだけなので、TimeMachineのバックアップファイルに合わせてOSまで10.6⇒10.5に戻るんじゃないかと心配していたが、杞憂であった。

・無線LAN経由(しかも、最新の規格ではない)で作業したので、時間がかかる。最初は10時間、とかいって脅された。TimeMachineの初回バックアップも無線では大変キビしくて、有線でLAN接続したのを思い出したが、後の祭りだ。今回のようにiMacにNASを直付にすることができない以上、どうしてもネットワーク経由で移行することになる。電源を入れてまもなく、無線で簡単にネットワークに入れてしまったので、嬉しくなっちゃってついつい無線のまま作業に入ったのは失敗だった。

・Time Machineバックアップを使ってiTunesライブラリ用のHDDもiMacに移行しようと思っていたが、これは、あとで別途行う必要がある。Time Machineが作ったバックアップ・ファイルは、当たり前だけれども、2つの異なるHDDがそれぞれディスクイメージになっているから、移行アシスタントではiTunesライブラリ用のHDDの方を選択できない。(結局、いろいろ考えて、このiTunesライブラリのボリュームは、iPodクラシックを外付HDDとして使い、本体から丸ごとコピーした。)

・今回選んだキーボードがUS配列なので、最初に電源を入れて認識させるとき、キーボード/入力選択の画面でついつい「US」を選んだが、これは失敗。ここで「ことえり」を選んでおかないと、スタートアップの最終段階で出てくる製品登録画面で日本語が使えないので、ちょっと焦る。まあ、その場合、あとで登録するだけのことなので、そこまで焦る必要はないんだけど。でも、ほら。一応。

多分、続く・・・週末にメモリーを16GBに増設予定。

iMac (2011) 届いたよ! (1)

この間、iMac (mid 2011) の購入を決定してポチった。そのiMac がやっと届いた。やっと、というほど時間がかかったわけじゃないけれども、出荷したと連絡があってからが、案外長かった。今回はとりあえず、到着までの記録をしておく。

購入モデルは 21.5インチ, BTOでCore i7、8GBのメモリー、2TBのHDDを搭載。もちろんApple Storeにて。

HDDは、情報によれば自分で換装するのが難しいらしい。それで最初から最大容量にした。メモリーだが、これまでの自分で増設くらいしてきたし、iMacの説明書にもその方法が記載されている。だから、あえて高い Apple Store で増設して買う意味は薄いのだけど、標準の4GBモデルだと、4つあるメモリーのスロットのうち2つに、2GBのメモリーが1枚づつささった状態で出荷されることになる。もともと最大の16MBまで増設するつもりなので、初期状態で4GBx2にしておこうと、8GBにした。

SSDを積んだりしなかったのもあって、注文から出荷までは早かった。5/17に注文。5/19 に出荷したとのメール。

・・・が、それですぐに届くわけではない。中国で組み立てて日本に運んでいるのは知っているが、この「出荷」との知らせが届いた時点では荷物はまだ海外にあるんだなぁ。文字どおり、「工場から出荷」ということなんだろう。日本の拠点に持ってきてから出荷ではなく、まさに直送。

日本国内向けにはヤマト運輸をロジスティックのパートナーにしているようである。この後、うちに届くまでをヤマト運輸の追跡情報をもとに書くと、こんな感じ。

・5/19 18:00 頃 上海支店にて「海外荷物受付」
・5/21 09:00 頃 上海支店から「海外発送」
・5/21 11:00 頃 ADSC支店「国内到着」
・5/22 16:00 頃 ADSC支店「荷物受付」
・5/22 16:00 頃 ADSC支店「発送」
・5/23 08:30 頃 都内最寄の配送センター「持戻(ご不在)」

・・・で、23日夜に再配達で受取りである。

中国で組み立てて日本に運んでいるんだよ、というアピール(?)、オーダーから出荷まで早いでしょ!というアピール、出荷してから届くまでのワクワク感はあるのだが、いまどき、出荷の知らせがあって4~5日しないと届かないのは却って逆効果なんじゃないか、と思ったりもする。国内到着とか、国内荷物受付の時点で発送といってくれたほうが、到着するタイミングも予測しやすいようなきもする。

ちなみに、ADSC支店っていうのはApple Delivery Service Center の略なのだと聞いた。実際の荷物は成田⇒有明⇒xxxx と運ばれているらしい。

なんか、海外での受付から発送まで、国内到着から発送まで、に時間がかかっているのだね。具体的にどういうプロセス、作業を踏んでいるのか、このステータス表だけでは正直、見えてこないのだけれど、あんまりスピーディな感じがしないよね。

・・・続く

2011/05/17

iMac 購入決定

先日ラインアップが刷新された"iMac"を買うことにした。

一番最初に最初に買った(というか、買ってもらったというべき)LC から数えて、PowerBook Duo 230 (+ DuoDock) - PowerMacG4 - PowerBookG3 - PowerMacG5 - MacBook と数えると、人生で7台目の Mac 購入。実は、PowerBook DUo 250のお下がりをもらってたり、Duo230をアップグレード基板っを買って2300相当に改造してたりもする。

今回は、家で「母艦」にしているPowerMacG5を代替する目的での購入。5~6年前に購入したもので、1.8Ghzのシングルプロセッサ・モデルである。PowerPC搭載機なので、Snow Leopard (10.6)以降のOSが動かなくなったし、最近、使ってみたいと思うシェアウェアにしろ、"Intel Mac"が動作条件になっているものも増えてきた。そんなわけで、そろそろ潮時だろうかと思うようになったわけだ。

本当は、BD搭載・iDVDのBD版みたいなアプリケーション(作成したHDムービーをBDに吐き出すApple純正簡便ソリューション)の登場を、もうこの3年くらい心待ちにしていたんだよね。それで、iMacがBD搭載したら買い換えようと思っていたんだが、Steve Jobs は"BD"を"SACD"みたいなものだと思っているんだろうな、と諦めた。

ここ数年で、HDDの容量がどんどんでかくなって、たまに作るムービーくらいなら無理に吐き出さず、HDDに保存しておいて、LAN ⇒ AppleTV 経由でTVに映し出すソリューションのほうが確かにスマートだと思うようになった。他人と共有するなら、やっぱり、BD所持を全員に期待するのは難しいから、ネットに載せるか、そうでなければ DVDに焼くのが現実的なんだろう。

前にPowerMacG5を購入したときは、グラファイトのポリバケツG4からの乗り換えだったし、iMacじゃさすがにパワーが足りないと思ったので、分不相応なアルミの箱を買ったわけだが、今回、さすがにMacProの購入は考えなかったなぁ。iMac で十分にパフォーマンス高そうだし。MacMini は(アップデートしたらそれでもいいかと)考えたけれど、考えてみたら10年選手のうちの液晶モニターもパフォーマンスが悪い。ディスプレイもそこそこのものに入れ替えるなら、いっそ、iMacが割安だろうという判断をした。

21インチのほうを選択して、27インチとの差額分でCPUやらメモリーやらをアップグレード。27インチも魅力的だが、ちょっとデカい。素のままなら格安に感じるが、アップグレードしていると値段も高くなるしな。


届いたら、TimeMachine のバックアップ経由で複数HDDにまたがる現在の環境を1本化しつつ移行することを考えているんだけど、うまくいくだろうか。まあ、最近のMacで移行に手間取ったことはないから、なんとかなるだろう。

2011/04/18

謎が解けた・・・。

ちー、ここんところ『ドラえもん』の review にばっかりアクセスがあるのは、2ch のせいか。。。

その前は、ハルヒとか。ヤマトとか。なんか、アニメばっかりアクセスされてますな。。。

そちらの熱心なファンの方々からすると、あんまり熱心なアニメ好きというわけじゃない当方の書くことなんか面白くないと思うけどねぇ。怒られそうで怖いくらい。

2011/04/11

『リーサル・ウェポン』シリーズ(1987-1998)

震災直後の「買い占め」が問題視されていた頃、同じ買い占めでも人様の迷惑にならないだろうと、タワレコの棚に残っていた『リーサル・ウェポン』シリーズ(BD)をまとめ買いした。いずれも初見は劇場。1~3はLDで持っていたが、4を買うのは初めて。

このシリーズ、ご存知のとおり、キャラクターの成長とキャラクターの増加に合わせて、重心がどんどんコメディ寄りになっていき、アクションも派手でコミック的になっていく。久しぶりにシリーズ通しでみたが、映画の感想は昔と同じ。

1(1987):刑事コンビもののアクション映画として面白い。
2(1989):刑事コンビもののアクション・コメディ映画として面白い。
3(1992):オープニング・クレジットがかっこいい。
4(1998):エンド・クレジットが和む。

最初の2本に比べると3本目から出来が落ちるのは衆目の一致するところだが、この3本目のオープニング・クレジットが大好きだ。黒背景に生き物のように這う炎。これは、住宅建設現場でのクライマックスが炎に包まれることを暗示するものだ。クラプトンのギターにスティングの渋い歌声がかぶる。走る炎が「3」の数字に燃え上がってタイトル。・・・これ、シリーズ中でも最高にかっこいい瞬間。劇場でみたとき興奮したのを覚えてるけど、この映画、残念なことにそこが最高到達点で、その後はどんどん盛り下がっていってしまう。まあ、ギブソンとレネ・ルッソが傷跡自慢で盛り上がるシーンも悪くはないんだけどさ。

4はジェット・リーも楽しいけれど、作品そのものがおまけというか、カーテンコールである。だから、その最後を飾るエンディングが一番。同窓会的な雰囲気がよく出ていて、文字通り和むのだ。

ところで、2と3で脚本にクレジットされたジェフリー・ボームという脚本家、最近聞かないなぁ、と思っていたら、50代半ばで2000年にお亡くなりになっていたとは知らなかった。娯楽映画の良い書き手だと思っていたのに。残念。

BDとしては、1、2の画質はあんまり良くない。1はDVDで出ていたというディレクターズ・カット版じゃないというのもちょっと残念。4のディスクに入っている、ダニー・グローヴァーがホストになって過去4作の舞台裏や名場面を振り返る特典がちょっと楽しかった。

2011/03/18

正義の行方 C.I.E. 特別捜査官(2009)

Crossing Over (☆☆☆)@WOWOW 録画

ハリソン・フォード出演作としては扱いが小さかったために劇場で見逃していた。考えて見れば、『エアフォース・ワン』あたりを最後に興行的な神通力を失った感のあるハリソン・フォード。「クリスタルスカル」後になる本作ではアンサンブル・キャストの1人、『小さな命が呼ぶとき』ではブレンダン・フレイザーを、公開中の『恋とニュースの作り方』ではレイチェル・マクアダムスを前面に立てての助演と、新しいポジショニングを獲得すべく新機軸を打ち出しつつあるようだ。

で、本作である。米国ならではのテーマである移民を切り口に、中東系、韓国系、メキシコ系、オーストラリア系、ユダヤ系の複数のエピソードが互いに交差していく作りになっている。最近だと、ポール・ハギスの『クラッシュ』を想起させる構成だな。

ハリソン・フォードの役回りは不法移民を取り締まる捜査官で、そういう立場でありながら人としての温情を持っていることであるメキシコ系の女性とその家族に関わりを持っていくことになる。他に、レイ・リオッタが立場を利用してオーストラリアからきた新人女優を手篭めにする話とか、ヘブライ語も分からんのにいんちきユダヤ教徒の話とか、学校の作文で9/11の犯人側に同情的だとされて自爆テロの可能性を疑われる少女の話とか、悪いヤツと付き合っているうちに人生を棒に振りそうになる韓国移民の少年の話とかが綴られていく。クライマックスは、新しく市民権を得た人々を一同に集めてのセレモニーだ。多様なエピソードで移民国家米国の今を描き出す。

真摯な内容でそこそこ面白い。エピソードの結末も深刻一本槍ではないところがいいし、結果としてある種の不条理も感じさせるあたりもいい。ハリソン・フォードは、無口な頑固キャラが板についてきた。レイ・リオッタが相変わらずセコい悪役で、ちょっと可哀想になってくる。『ラスベガスをぶっつぶせ』のジム・スタージェスがなかなか笑わせる。ハリソンの相棒役で登場するクリフ・カーティスに見せ場がある。

脚本・監督は、ウェイン・クレイマー。そうか、そのあたりも脚本家で監督も手がけるハギスの作品を想起させる理由なのかも知れない。製作はワインスタイン・カンパニー。ファイナルカット権を保持していたのに、「短くしないと劇場リリースを見送るぞ」と脅されて20分くらいカットしたらしいが、まあ、2時間でちょうどいいんじゃないのかね。「シザーハンズ」と呼ばれるワインスタインだが、彼らなりの見識というのも一理あるような気もする。

2011/01/23

My Favorite Movies (2010)

今年は80本程度しか見ていないので、なんか色々混ざっちゃうな、と思いつつ、気に入った映画10本あげるなら、こんなところ。上から7本くらいはまず確実に好き。あとは10本くらいの、そこそこできがよく面白いと思った映画から気分でといったところか。

・ 『カラフル』
・ 『マイレージ、マイライフ』 Up in the Air
・ 『17歳の肖像』 An Education
・ 『(500)日のサマー』 (500) days of Summer
・ 『キックアス』 Kick-Ass
・ 『インセプション』 Inception
・ 『トイ・ストーリー3』 Toy Story 3
・ 『シャッターアイランド』 The Shutter Island
・ 『瞳の奥の秘密』 El Secreto de Sus Ojos
・ 『オーケストラ!』 Le Concert

いろんなとこのベスト10を見ていると、あんまり『カラフル』が挙げられていないのだけど、やっぱり見ている人が少ないのかな。