2011/06/28

コップ・アウト 刑事(デカ)した奴ら (2010)

Cop Out(☆☆)@WOWOW録画

ブルース・ウィリスはTVドラマ『こちらブルームーン探偵社』の頃からのファンなので、出演作品の全部とは言わないが、ほとんどを見てきている。だが、昨年秋に「シネパトス送り」となったこれ、いろいろあって見損なっていたんだよね。

麻薬密売人を追っていてヘマをうち、1か月間の無給停職をさせられているブルース・ウィリスは、離婚した妻とのあいだに娘がいて、父親としてのメンツをかけてその結婚費用を捻出擦る必要に迫られている。自分の父親から譲り受けた稀少なベースボール・カードを手放す決心をするが、取引中にケチな押し込み強盗にあってカードを盗まれてしまう。同じく停職中のパートナーと共に強盗犯を捕らえてみれば、カードを売りさばいた相手は件の麻薬密売人だと判明する。

ケヴィン・スミスが、メジャー・スタジオで、他人の脚本で撮り、商業的には自身最高(といっても、たかだか4500万ドルくらい)の結果を出したアクション・コメディ。出演は他にトレイシー・モーガン、ショーンウィリアム・スコット、ケヴィン・ポラック、ジェイソン・リーといったところ。音楽がああおなつかしやハロルド・フォルターメイヤーですよ。そうそう、あの『ビバリーヒルズ・コップ』のね。

製作段階の「A Couple of Dicks」から改題。そりゃそうだ。2人の刑事(二本のチンコ)じゃ、まともにTV宣伝も打てやしないだろ!

ケヴィン・スミスは興味深い映画作家ではあるけれども、必ずしも器用な映画職人というわけではない、というところだろうか。映画化前には期待される脚本リストに名を連ねていたこともある本作だが、退屈しない程度の平凡な出来栄えである。脱線・回り道が持ち味な脚本だからこそ、そこはピリっと引き締めて欲しかった。が、けっかはグダグダ。まあ、ケヴィン・スミスだからな。それも想定の範囲内だ。

ブルーノが協力的ではなかったと、出来の悪さを主演俳優の態度の悪さに転嫁したような監督の怒りのコメントが流れていた。しかし、どうだろう。出来上がった映画を見る限り、ブルース・ウィリスはいつものブルース・ウィリスだ。まあ、ヤツのことだから、金のために出演し、適当に流したのかもしれない。が、監督が「プロフェッショナルだ」と褒めてた共演のトレーシー・モーガンがちっとも面白くないことのほうがよほど問題じゃああるまいか。やはり(TV出身とはいえ)百戦錬磨のスーパースターと、TV番組で人気でも映画の実績がほとんどないコメディアンでは、身にまとったオーラが違いすぎるよ。

不仲の原因は、ブルーノがやたらケヴィン・スミスの撮り方に口を出したことらしいね。この手のアクション・コメディにゃ、たしかにブルーノのほうが経験も豊富だし、一家言ありそうなもんだ。

セリフなどを引用する映画ネタが、最初から最後まで盛り沢山。ちょっとやり過ぎで、面白さも半分といった感じだけどね。

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