2010/11/01

死霊のはらわた(1981)

The Evil Dead ☆☆☆ (@ WOWOW録画)

サム・ライミのカルト・ヒット。LDは持っているんだが、私にとってはそうそうしょっちゅう見たいジャンルというわけでもないので久しぶりの鑑賞。16mm をブローアップした、解像度が低くて粒子の荒い画面が特徴のひとつだったのだが、わりときれいにHD化されていた。

山小屋に遊びにきた5人組が、地下室で発見した妙なテープを再生したことから古代の悪霊に一人また一人と取り憑かれていく惨劇。無事に朝を迎え、脱出することができるのか?

「死者の書」の薄気味悪いデザインが秀逸。かつて、あれを再現したDVDのパッケージがあったが、いや、一切手を触れたくないね。あんなものには。

尋常ではないことを冷静に読み上げ続けるテープの声の調子がなんか可笑しい。妻に悪霊が乗り移った、唯一の方法はバラバラにすることだ、などと、いくら研究者だからって、冷静に実況生録音しているっていうのがね。

悪霊視点の主観カメラが疾走するのはライミのトレードマークみたいなもの。これ、怖いというよりちょっと笑える。

樹の枝がするすると女の子を縛り付けてレイプするシーンは批判の対象になったが、このシーン、なんか触手もののエロアニメみたい。でもこれ、それよりも古いよね。

なんだか理由は分からんのだが、取り付かれた人間をブチ殺そうとすると白い液体を盛大に吐き散らす。うぇ。汚いよ。

悪霊は主人公の周りの人間に次々と取り憑いて主人公を殺そうとするが、なんで主人公に直接取り憑かないのか、不思議。続編では片腕に乗り移られて抱腹絶倒のシーンがあるんだが、こちらにはそれがない。

この映画、直接的な暴力・残酷描写が当時はセンセーショナルだった。が、いま見ると、HDの解像度もあって、手作り感覚あふれる特殊メイクが微笑ましい。まあ悪霊にとりつかれる前は、友人や恋人だったのに、なんのためらいもなく突き刺したり首ちょんぱしたりバラバラにしたり、という話の展開も影響しているだろう。

「死者の書」が燃え、最後まで残っていた悪霊(に取り付かれた人たち)が断末魔をあげながら崩壊していくシーンはクレイアニメーションみたいなものか。薄気味悪いんだけど、すげー手作りな感じ。よく作ったな。

度を越したスプラッター描写が笑いに転化する、ということを意図的にやり始めたのは続編以降のことで、本作ではかなりストレートにホラー/ショッカー演出をやっている。が、その演出が豪快ゆえに、なんとなく笑ってしまうシーンもないわけではない。

個人的な好みは、II の方。ただ、これなくしてIIも、サム・ライミのキャリアもなかったという意味で重要な1本には違いない。

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