2010/09/20

スプーフもの2本: 『ほぼ300』 『鉄板スポーツ伝説』

The Comebacks (2007) ★  (@WOWOW録画)
Meet the Spartans (2008) ☆(@WOWOW録画)

WOWOWで録画した未公開コメディ 『ほぼ300』、『鉄板スポーツ伝説』を見た。

コメディ映画の中に 「スプーフ」もの、と呼ばれる映画のジャンルがあって、米国ではそこそこの人気を保っている。コメディ映画といっても、いわゆるパロディ・ネタや細かい映像的ギャグを連ねていくタイプのもので、かつて、ZAZと呼ばれたザッカー兄弟・エイブラムズのトリオが得意とし、『裸の銃を持つ男』や『ホット・ショット』といったヒット作が出た.

今回の2本はその系譜に連なるもので、『ほぼ300(Meet the Spartans)』は、最近このジャンルの映画の量産体制に入っているジェイソン・フリードバーグとアーロン・セルツァーのコンビによるもの。『鉄板スポーツ伝説(The Comebacks)』は、邦題だけはフリードバーグ&セルツァー・コンビの『鉄板英雄伝説(Epic Movie)』を踏襲しているが、ロブ・シュナイダーのヒット作『The Animal』(脚本)、『The Hot Chick』(脚本・監督)のトム・ブレイディの監督作品である。

この手の映画では、ギャグの質(アイディア)と数(密度)が重要なのはいうまでもないが、それだけではダメで、映像で見せるセンスと、それをきっちり演じて見せられる役者も重要だし、(明確なストーリー・ラインの有無にかかわらず)構成や脚本もまた重要である。簡単そうに見えて、案外難しいのだ。

そんな当たり前のことを理解するうえでは、見ているのが苦痛になってくるほどに退屈で寒いこの2本の存在価値があるのかもしれない。まあね、なんというか、惨憺たるもので。フリードバーグ&セルツァー・コンビには何も期待できないし、トム・ブレイディもロブ・シュナイダー(とアダム・サンドラー率いるハッピー・マディソン組)がなければこの程度の作家だということだ。

これなら、下品で頭の悪いキーナン・アイボリー・ウェイアンズ(『Scary Movie』 1, 2)のほうが数段楽しいと思うが、それでも『Scary Movie 3』でZAZの懲りない生き残りであるデイヴィッド・ザッカー&パット・プロフト組に交代したら、それだけでいきなり映画がピリッと締まったものだ。(どうやら久しぶりに『Scary Movie 5』をやるつもりらしいね。)いや、結局のところ、ZAZの前にスプーフなく、ZAZのあとにもスプーフなし、という状況なのだろうか。いやはや。

0 件のコメント:

コメントを投稿