2010/09/21

キルショット(2008)

Killshot (2008) ☆☆☆ (@WOWOW録画)

ジョン・マッデンといえば、『恋におちたシェイクスピア』のアカデミー賞監督である。まあ、あれはトム・ストッパードの脚色と、ミラマックスの強烈なアカデミー賞キャンペーンが功を奏した映画だといわれたらそうなんだけど、その後、『コレリ大尉のマンドリン』とか、『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』とか、つまらなくはないんだけどピリっとしない凡作が続いて、完成後、長い間公開されず、危うく本国でもお蔵入りの憂き目にあう寸前までいったのが本作なのである。日本ではどうやら劇場未公開というだけではなく、TSUTAYA独占レンタル・リリースという不遇ぶりであった。このたび、WOWOWで放送があったので楽しみにしていた1本である。

なにせ、未公開映画といったって筋が違う。原作はエルモア・レナード。ワインスタイン・カンパニー作品で、ローレンス・ベンダー製作だ。もともと1998年くらいからミラマックスで映画化プロジェクトが動いていたものである。出演はミッキー・ローク、ダイアン・レイン、トーマス・ジェーン、ジョセフ・ゴードン・レビット、ロザリオ・ドーソンという製作時期を考えるとなかなか慧眼、センスの良さだ。アンソニー・ミンゲラやシドニー・ポラックも脚本改定(ノー・クレジット)に借り出されており、腐ったとはいえアカデミー賞監督の作品だ。

仕事上のトラブルでマフィアから追われる身になったロークが偶然出会ったチンピラの計画を手伝うが失敗し、事件の目撃者である夫婦、トーマス・ジェーンとダイアン・レインを殺そうとする話である。、メインプロットを中心に小さく簡潔にまとまりすぎではある。そこらへんはテスト・スクリーニングの不評を受けた再編集の影響だろう。エルモア・レナード原作としてはオフビートに弾けた感じや、ウィットが足りない。良い意味での「たかがパルプ・フィクション」だとういう割り切り、軽さがあってもいいと思うが、なんか真面目な作りになっている。とはいえ、結果として尺も短いし、過大な期待をしなけりゃ楽しめる「魅力的な凡作」だと思う。

まあ、お笑いどころはある。ミッキー・ローク演じる殺し屋は、居留地出身の混血のネイティブ・アメリカンという設定である。そんなの云われなきゃわからんよ!しかも、会う人会う人、「あの不気味なインディアン」とかいってるわけ。どこどうしたら風貌ひとつでミッキー・ロークがネイティブ・アメリカンに見えるんだ?まさか、、くずれた顔と髪型??? そうなのか?

だが、それを「お約束ごと」と目をつぶれば、さすがはローク、渋い演技でいい仕事。もちろん『レスラー』以前もほそぼそと良い仕事を続けていたのは分かっていたが、この時期、主演扱いの大きな役は珍しい。コンビを組む羽目になる若い狂犬のようなチンピラを、いま大注目を浴びるジョセフ・ゴードン・レビットが熱演、これが『(500)日のサマー』の彼と同一人物とは俄かに信じられない化けっぷり。当方ごひいきのロザリオ・ドーソンもチョイ役だがいい雰囲気。

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