☆☆☆ (wowow 録画)
自己顕示欲が強い不死身の悪党と、過去の因縁を抱えたヒーローが互いに己れの存在をかけて激突するはなし。
ただし、悪党はただの人間ではない。コンピューター上で200人近くの凶悪犯の個性を合成シミュレートした人格が、ナノマシーンが構成した人造人間として現実世界に実体化したものである。
スティーヴン・キングの原作を離れてどこかにいってしまった『バーチャル・ウォーズ(1992)』の監督であったブレット・レナードが、仮想世界の存在が実体化するというモチーフゆえかバーチャルものなら任せておけとばかりに登板。
監督は三流だが、主演は既に名声を確立していたデンゼル・ワシントン、超絶悪党を気持ちよさそうに演じるのはか『クイック&デッド(1995)』などでハリウッドに売り込み中だったラッセル・クロウ。後に『アメリカン・ギャングスター(2007)』で攻守入れ替えて競演することになるアカデミー賞俳優たちが、安っぽいアクション映画でガチンコ対決、これが本作の見所である。
近未来設定なのにブラウン管ディスプレイとか、今やテレビゲーム以下の安いCG描写とか、50テラバイトの人格を格納するクリスタル状の記憶装置とか、ナノマシーンが体を構成するのになぜ繭まで作るのかとか、ツッコミどころ満載だが、まあ、こういう映画だからうるさいこというまい。
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