The Spy Next Door (☆☆)@WOWOW録画
ジャッキ-・チェン主演のライオンズゲート作品『ダブル・ミッション』を観た。原題は"The Spy Next Door" a girl next doorならどこにでもいる女の子、だけれど、spy なんてそうそう近所にいてたまるかよ、的な洒落ですな。
で、実際、本作のジャッキー・チェンは、筆記具の輸入販売業をしている男という触れ込みで郊外の町にひとりで暮らしており、お隣りのシングルマザーと良い仲になっている、というところから話が始まる。本業はスパイなのだが、引退して結婚しようとしているのである。シングルマザーの子供たちはジャッキーのことをダサいおっさんだと思っていて、しかも、母親が結婚するとなると、本当の父親への思いもあって、抵抗を感じている。母親が留守のあいだ、子どもの世話を引き受けたジャッキー。そこに敵スパイの魔の手が迫る。
・・・とまあ、ファミリー向けのコメディ映画なのである。ジャッキー、相変わらず身近な小道具を使った器用なアクションを見せてくれるし、フィジカルな能力の高さはスゴイんだけど、アクション濃度はかなり低い。しょうがない、だって監督はブライアン・レヴァントだもん。シュワルツェネッガーの『ジングル・オール・ザ・ウェイ』とか撮ってたひとだよ?
しかし、この映画、のっけのところがスゴイんだ。オープニングタイトルで「主人公のスパイとしての大活躍」のダイジェストをみせてくれるのね。だけど、これがなんと、本物のジャッキー映画から抜いてきたアクションシーン総集編なのだ。なんか、米国進出後の映画の比率が多いのはご愛嬌だが、香港時代の作品、少なくともプロジェクト・イーグルは混ざってる。本編に足りないアクションを、せめてここだけでも堪能ください、ということかね。
2011/07/22
2011/06/28
コップ・アウト 刑事(デカ)した奴ら (2010)
Cop Out(☆☆)@WOWOW録画
ブルース・ウィリスはTVドラマ『こちらブルームーン探偵社』の頃からのファンなので、出演作品の全部とは言わないが、ほとんどを見てきている。だが、昨年秋に「シネパトス送り」となったこれ、いろいろあって見損なっていたんだよね。
麻薬密売人を追っていてヘマをうち、1か月間の無給停職をさせられているブルース・ウィリスは、離婚した妻とのあいだに娘がいて、父親としてのメンツをかけてその結婚費用を捻出擦る必要に迫られている。自分の父親から譲り受けた稀少なベースボール・カードを手放す決心をするが、取引中にケチな押し込み強盗にあってカードを盗まれてしまう。同じく停職中のパートナーと共に強盗犯を捕らえてみれば、カードを売りさばいた相手は件の麻薬密売人だと判明する。
ケヴィン・スミスが、メジャー・スタジオで、他人の脚本で撮り、商業的には自身最高(といっても、たかだか4500万ドルくらい)の結果を出したアクション・コメディ。出演は他にトレイシー・モーガン、ショーンウィリアム・スコット、ケヴィン・ポラック、ジェイソン・リーといったところ。音楽がああおなつかしやハロルド・フォルターメイヤーですよ。そうそう、あの『ビバリーヒルズ・コップ』のね。
製作段階の「A Couple of Dicks」から改題。そりゃそうだ。2人の刑事(二本のチンコ)じゃ、まともにTV宣伝も打てやしないだろ!
ケヴィン・スミスは興味深い映画作家ではあるけれども、必ずしも器用な映画職人というわけではない、というところだろうか。映画化前には期待される脚本リストに名を連ねていたこともある本作だが、退屈しない程度の平凡な出来栄えである。脱線・回り道が持ち味な脚本だからこそ、そこはピリっと引き締めて欲しかった。が、けっかはグダグダ。まあ、ケヴィン・スミスだからな。それも想定の範囲内だ。
ブルーノが協力的ではなかったと、出来の悪さを主演俳優の態度の悪さに転嫁したような監督の怒りのコメントが流れていた。しかし、どうだろう。出来上がった映画を見る限り、ブルース・ウィリスはいつものブルース・ウィリスだ。まあ、ヤツのことだから、金のために出演し、適当に流したのかもしれない。が、監督が「プロフェッショナルだ」と褒めてた共演のトレーシー・モーガンがちっとも面白くないことのほうがよほど問題じゃああるまいか。やはり(TV出身とはいえ)百戦錬磨のスーパースターと、TV番組で人気でも映画の実績がほとんどないコメディアンでは、身にまとったオーラが違いすぎるよ。
不仲の原因は、ブルーノがやたらケヴィン・スミスの撮り方に口を出したことらしいね。この手のアクション・コメディにゃ、たしかにブルーノのほうが経験も豊富だし、一家言ありそうなもんだ。
セリフなどを引用する映画ネタが、最初から最後まで盛り沢山。ちょっとやり過ぎで、面白さも半分といった感じだけどね。
ブルース・ウィリスはTVドラマ『こちらブルームーン探偵社』の頃からのファンなので、出演作品の全部とは言わないが、ほとんどを見てきている。だが、昨年秋に「シネパトス送り」となったこれ、いろいろあって見損なっていたんだよね。
麻薬密売人を追っていてヘマをうち、1か月間の無給停職をさせられているブルース・ウィリスは、離婚した妻とのあいだに娘がいて、父親としてのメンツをかけてその結婚費用を捻出擦る必要に迫られている。自分の父親から譲り受けた稀少なベースボール・カードを手放す決心をするが、取引中にケチな押し込み強盗にあってカードを盗まれてしまう。同じく停職中のパートナーと共に強盗犯を捕らえてみれば、カードを売りさばいた相手は件の麻薬密売人だと判明する。
ケヴィン・スミスが、メジャー・スタジオで、他人の脚本で撮り、商業的には自身最高(といっても、たかだか4500万ドルくらい)の結果を出したアクション・コメディ。出演は他にトレイシー・モーガン、ショーンウィリアム・スコット、ケヴィン・ポラック、ジェイソン・リーといったところ。音楽がああおなつかしやハロルド・フォルターメイヤーですよ。そうそう、あの『ビバリーヒルズ・コップ』のね。
製作段階の「A Couple of Dicks」から改題。そりゃそうだ。2人の刑事(二本のチンコ)じゃ、まともにTV宣伝も打てやしないだろ!
ケヴィン・スミスは興味深い映画作家ではあるけれども、必ずしも器用な映画職人というわけではない、というところだろうか。映画化前には期待される脚本リストに名を連ねていたこともある本作だが、退屈しない程度の平凡な出来栄えである。脱線・回り道が持ち味な脚本だからこそ、そこはピリっと引き締めて欲しかった。が、けっかはグダグダ。まあ、ケヴィン・スミスだからな。それも想定の範囲内だ。
ブルーノが協力的ではなかったと、出来の悪さを主演俳優の態度の悪さに転嫁したような監督の怒りのコメントが流れていた。しかし、どうだろう。出来上がった映画を見る限り、ブルース・ウィリスはいつものブルース・ウィリスだ。まあ、ヤツのことだから、金のために出演し、適当に流したのかもしれない。が、監督が「プロフェッショナルだ」と褒めてた共演のトレーシー・モーガンがちっとも面白くないことのほうがよほど問題じゃああるまいか。やはり(TV出身とはいえ)百戦錬磨のスーパースターと、TV番組で人気でも映画の実績がほとんどないコメディアンでは、身にまとったオーラが違いすぎるよ。
不仲の原因は、ブルーノがやたらケヴィン・スミスの撮り方に口を出したことらしいね。この手のアクション・コメディにゃ、たしかにブルーノのほうが経験も豊富だし、一家言ありそうなもんだ。
セリフなどを引用する映画ネタが、最初から最後まで盛り沢山。ちょっとやり過ぎで、面白さも半分といった感じだけどね。
2011/04/11
『リーサル・ウェポン』シリーズ(1987-1998)
震災直後の「買い占め」が問題視されていた頃、同じ買い占めでも人様の迷惑にならないだろうと、タワレコの棚に残っていた『リーサル・ウェポン』シリーズ(BD)をまとめ買いした。いずれも初見は劇場。1~3はLDで持っていたが、4を買うのは初めて。
このシリーズ、ご存知のとおり、キャラクターの成長とキャラクターの増加に合わせて、重心がどんどんコメディ寄りになっていき、アクションも派手でコミック的になっていく。久しぶりにシリーズ通しでみたが、映画の感想は昔と同じ。
1(1987):刑事コンビもののアクション映画として面白い。
2(1989):刑事コンビもののアクション・コメディ映画として面白い。
3(1992):オープニング・クレジットがかっこいい。
4(1998):エンド・クレジットが和む。
最初の2本に比べると3本目から出来が落ちるのは衆目の一致するところだが、この3本目のオープニング・クレジットが大好きだ。黒背景に生き物のように這う炎。これは、住宅建設現場でのクライマックスが炎に包まれることを暗示するものだ。クラプトンのギターにスティングの渋い歌声がかぶる。走る炎が「3」の数字に燃え上がってタイトル。・・・これ、シリーズ中でも最高にかっこいい瞬間。劇場でみたとき興奮したのを覚えてるけど、この映画、残念なことにそこが最高到達点で、その後はどんどん盛り下がっていってしまう。まあ、ギブソンとレネ・ルッソが傷跡自慢で盛り上がるシーンも悪くはないんだけどさ。
4はジェット・リーも楽しいけれど、作品そのものがおまけというか、カーテンコールである。だから、その最後を飾るエンディングが一番。同窓会的な雰囲気がよく出ていて、文字通り和むのだ。
ところで、2と3で脚本にクレジットされたジェフリー・ボームという脚本家、最近聞かないなぁ、と思っていたら、50代半ばで2000年にお亡くなりになっていたとは知らなかった。娯楽映画の良い書き手だと思っていたのに。残念。
BDとしては、1、2の画質はあんまり良くない。1はDVDで出ていたというディレクターズ・カット版じゃないというのもちょっと残念。4のディスクに入っている、ダニー・グローヴァーがホストになって過去4作の舞台裏や名場面を振り返る特典がちょっと楽しかった。
このシリーズ、ご存知のとおり、キャラクターの成長とキャラクターの増加に合わせて、重心がどんどんコメディ寄りになっていき、アクションも派手でコミック的になっていく。久しぶりにシリーズ通しでみたが、映画の感想は昔と同じ。
1(1987):刑事コンビもののアクション映画として面白い。
2(1989):刑事コンビもののアクション・コメディ映画として面白い。
3(1992):オープニング・クレジットがかっこいい。
4(1998):エンド・クレジットが和む。
最初の2本に比べると3本目から出来が落ちるのは衆目の一致するところだが、この3本目のオープニング・クレジットが大好きだ。黒背景に生き物のように這う炎。これは、住宅建設現場でのクライマックスが炎に包まれることを暗示するものだ。クラプトンのギターにスティングの渋い歌声がかぶる。走る炎が「3」の数字に燃え上がってタイトル。・・・これ、シリーズ中でも最高にかっこいい瞬間。劇場でみたとき興奮したのを覚えてるけど、この映画、残念なことにそこが最高到達点で、その後はどんどん盛り下がっていってしまう。まあ、ギブソンとレネ・ルッソが傷跡自慢で盛り上がるシーンも悪くはないんだけどさ。
4はジェット・リーも楽しいけれど、作品そのものがおまけというか、カーテンコールである。だから、その最後を飾るエンディングが一番。同窓会的な雰囲気がよく出ていて、文字通り和むのだ。
ところで、2と3で脚本にクレジットされたジェフリー・ボームという脚本家、最近聞かないなぁ、と思っていたら、50代半ばで2000年にお亡くなりになっていたとは知らなかった。娯楽映画の良い書き手だと思っていたのに。残念。
BDとしては、1、2の画質はあんまり良くない。1はDVDで出ていたというディレクターズ・カット版じゃないというのもちょっと残念。4のディスクに入っている、ダニー・グローヴァーがホストになって過去4作の舞台裏や名場面を振り返る特典がちょっと楽しかった。
2010/10/07
バーチュオシティ (1995)
☆☆☆ (wowow 録画)
自己顕示欲が強い不死身の悪党と、過去の因縁を抱えたヒーローが互いに己れの存在をかけて激突するはなし。
ただし、悪党はただの人間ではない。コンピューター上で200人近くの凶悪犯の個性を合成シミュレートした人格が、ナノマシーンが構成した人造人間として現実世界に実体化したものである。
スティーヴン・キングの原作を離れてどこかにいってしまった『バーチャル・ウォーズ(1992)』の監督であったブレット・レナードが、仮想世界の存在が実体化するというモチーフゆえかバーチャルものなら任せておけとばかりに登板。
監督は三流だが、主演は既に名声を確立していたデンゼル・ワシントン、超絶悪党を気持ちよさそうに演じるのはか『クイック&デッド(1995)』などでハリウッドに売り込み中だったラッセル・クロウ。後に『アメリカン・ギャングスター(2007)』で攻守入れ替えて競演することになるアカデミー賞俳優たちが、安っぽいアクション映画でガチンコ対決、これが本作の見所である。
近未来設定なのにブラウン管ディスプレイとか、今やテレビゲーム以下の安いCG描写とか、50テラバイトの人格を格納するクリスタル状の記憶装置とか、ナノマシーンが体を構成するのになぜ繭まで作るのかとか、ツッコミどころ満載だが、まあ、こういう映画だからうるさいこというまい。
自己顕示欲が強い不死身の悪党と、過去の因縁を抱えたヒーローが互いに己れの存在をかけて激突するはなし。
ただし、悪党はただの人間ではない。コンピューター上で200人近くの凶悪犯の個性を合成シミュレートした人格が、ナノマシーンが構成した人造人間として現実世界に実体化したものである。
スティーヴン・キングの原作を離れてどこかにいってしまった『バーチャル・ウォーズ(1992)』の監督であったブレット・レナードが、仮想世界の存在が実体化するというモチーフゆえかバーチャルものなら任せておけとばかりに登板。
監督は三流だが、主演は既に名声を確立していたデンゼル・ワシントン、超絶悪党を気持ちよさそうに演じるのはか『クイック&デッド(1995)』などでハリウッドに売り込み中だったラッセル・クロウ。後に『アメリカン・ギャングスター(2007)』で攻守入れ替えて競演することになるアカデミー賞俳優たちが、安っぽいアクション映画でガチンコ対決、これが本作の見所である。
近未来設定なのにブラウン管ディスプレイとか、今やテレビゲーム以下の安いCG描写とか、50テラバイトの人格を格納するクリスタル状の記憶装置とか、ナノマシーンが体を構成するのになぜ繭まで作るのかとか、ツッコミどころ満載だが、まあ、こういう映画だからうるさいこというまい。
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