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2010/08/22

インクハート 魔法の声(2009)

Inkheart (2009) ☆☆★ (@WOWOW録画)

ドイツのファンタジー小説を原作に、英国出身のイアン・ソフトリー監督、ブレンダン・フレイザー主演で制作された作品。話は聞いていたけど、日本では劇場未公開だったのね。ヘレン・ミレン、ジム・ブロードベンド、アンディー・サーキス、ポール・ベタニー、ちょこっとだけジェニファー・コネリーという、わりと豪華なキャスト。

これは、映像化が上手くいっているかどうかは別として、まず設定が面白い話(だから、未読なんだが原作はきっと面白いのだろう)。世の中には、朗読した言葉が現実のものになる不思議な力を持った人間がいて、主人公はその力を知らず知らずのうちに使ってしまったことから、ファンタジー小説の世界から現れた悪党たちと対決し、代わりに本の世界に囚われてしまった妻を救い出すために奮闘することになる。

本と言葉のもつ特別な力、というなかなか興味深いテーマを扱ったストーリーだが、誰もが楽しめる米国製娯楽映画ということで、少し子供っぽくなってしまったかもしれない。そもそも、文字とか言葉の力を語るのに、映像という媒体が合致していなかったのかもしれない。小説の中では想像力に富んだ面白いシーンも、映像にしたとたん間抜けに感じられたり、特別な魔法を失ってしまったりするものだ。映画の冒頭しばらくは、すごい拾い物を見ている気分だったが、イタリアに移動して悪党どもが登場してからはどんどんレベルが下がっていく感じでちょっと残念。

ブレンダン・フレイザーは昔から好きな俳優で、本作でも好印象。本の中の登場人物を演じているポール・ベタニーが相変わらず巧みで素晴らしい。

2010/03/13

『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』

ゲームのような構成の映画。まあ、それ以上でもそれ以下でもなく、語ることも何にもない。金のかかった大作なのに安っぽくて、「退屈な子供向けハリウッド映画」の見本のような作品である。原作は5部作だというが、続編企画がなくなっても驚かないし嘆きもしない。

まず、イントロで物語の説明が行われる。いわく、主人公はポセイドンの血を引くデミゴッドであり、ゼウスの雷撃を盗んだ嫌疑をかけられている、と。雷撃を欲するハデスにさらわれた母親を救い出し、ゼウスの疑いを晴らさなくてはならない、と。次は、チュートリアルが待っている。神の落とし子たちを集めたキャンプをステージに、ミノタウロスとの戦いやフィールドでの訓練で基本的な戦い方を教わるのだ。今後必要となる武器・アイテム・仲間を受領したら次に進もう。

キャンプをでたら、マップを手がかりにお宝を集めるクエストが始まる。アメリカを横断しながらステージを移動し、メデューサ、ヒドラと強力な中ボスを倒すごとに特殊な「真珠」をゲットしていく。ドラッグの迷宮を越え、3つ目の真珠を手に入れたら、冥界ステージへ移動だ。冥界でハデスと戦って母親を救出すれば、いよいよ最終ステージ。ここまできたらあとは簡単。幾分弱めの「雷撃泥棒」を倒してやると、オリンポスへの扉が開き、あとは勝手にムービーが流れてゲーム終了・・・って、そんな感じ。

クリス・コロンバスは「ハリー・ポッター」1作・2作の監督で、本作を手がける20世紀FOXとも懇意。そんな流れで本作の指揮を任じられたのは想像に難くないが、この人、もともと規模の小さいコメディ作品で良さが出るタイプである。監督デビュー作、『ベビーシッター・アドベンチャー』は楽しかったな。