Splice (☆☆☆)@ WOWOW録画
劇場公開時に見損なっていたので、WOWOWでの放送を録画してみた。監督には、『CUBE』で一世を風靡したヴィンチェンゾ・ナタリ。主演にサラ・ポーリーとエイドリアン・ブロディ。ゼメキスとシルバーが立ち上げたホラー映画レーベル「ダークキャスル」の名があるが、完成品をみたダークキャッスルが配給権を買ったんだとさ。なんだ、そういう経緯だったのか。
遺伝子操作実験をしている科学者たちが使命感と科学的興味にかられ、実験で創りだした生物に人間のDNAを埋め込んだことから始まる話である。あまり事前の情報を持っていなかったので、最初に登場するチンコのような薄気味悪い生き物に知恵でもついて、密室となった研究設備内でこのクリーチャーと死闘を繰り広げる『エイリアン』みたいな話を想像していた。
しかし、みるみる成長した「生き物」は、コミュニケーション可能な高等知能をもつ「人間の亜種」に育っていく。人の手で作られた、人ではないモンスター。これは「フランケンシュタインの怪物」のバリエーションだったんだね。
しかも、この映画は、更に先にいく。この生き物に服着せて、化粧もさせて、誘惑されたからってセックスしちゃったり、反対にレイプされちゃったり、もうタイヘンな展開になるんですから。ええ。
だいたい、物語的には人が作った新種の生き物なのかもしれないが、どこぞの美人女優さんが特殊メイクとCGI加工で演じるこの「生き物」ってば、いってみりゃ、奇形人間なわけですよ。哀れなことに、この嫌がる奇形人間を監禁し、縛り付け、服ぬがせ、尻尾を切り落とし・・・って、ああ、それだけで、なんともヤバイ感じが漂ってくる。そこがこの映画の面白さだ。
映像的にグロいのは最初に登場したチンコみたいな生き物が互いに角出して殺し合い、血塗れになるシーンくらい。そこはストーリー的には意味のある伏線になっているけれど、描写の仕方はあからさまな観客へのサービスだといえよう。映画の基調になっているのは、人のようでいて人ではない生き物の生理的な薄気味悪さと、人間がそういう生き物を創りだして自分の自由にコントロールしようとすることに対する倫理的、宗教的な問題提起。割と面白かった。この映画の終わり方からすると、、、『ザ・フライII 二世誕生』みたいな続編ができちゃったりしてな。
2011/09/12
2010/11/01
死霊のはらわた(1981)
The Evil Dead ☆☆☆ (@ WOWOW録画)
サム・ライミのカルト・ヒット。LDは持っているんだが、私にとってはそうそうしょっちゅう見たいジャンルというわけでもないので久しぶりの鑑賞。16mm をブローアップした、解像度が低くて粒子の荒い画面が特徴のひとつだったのだが、わりときれいにHD化されていた。
山小屋に遊びにきた5人組が、地下室で発見した妙なテープを再生したことから古代の悪霊に一人また一人と取り憑かれていく惨劇。無事に朝を迎え、脱出することができるのか?
「死者の書」の薄気味悪いデザインが秀逸。かつて、あれを再現したDVDのパッケージがあったが、いや、一切手を触れたくないね。あんなものには。
尋常ではないことを冷静に読み上げ続けるテープの声の調子がなんか可笑しい。妻に悪霊が乗り移った、唯一の方法はバラバラにすることだ、などと、いくら研究者だからって、冷静に実況生録音しているっていうのがね。
悪霊視点の主観カメラが疾走するのはライミのトレードマークみたいなもの。これ、怖いというよりちょっと笑える。
樹の枝がするすると女の子を縛り付けてレイプするシーンは批判の対象になったが、このシーン、なんか触手もののエロアニメみたい。でもこれ、それよりも古いよね。
なんだか理由は分からんのだが、取り付かれた人間をブチ殺そうとすると白い液体を盛大に吐き散らす。うぇ。汚いよ。
悪霊は主人公の周りの人間に次々と取り憑いて主人公を殺そうとするが、なんで主人公に直接取り憑かないのか、不思議。続編では片腕に乗り移られて抱腹絶倒のシーンがあるんだが、こちらにはそれがない。
この映画、直接的な暴力・残酷描写が当時はセンセーショナルだった。が、いま見ると、HDの解像度もあって、手作り感覚あふれる特殊メイクが微笑ましい。まあ悪霊にとりつかれる前は、友人や恋人だったのに、なんのためらいもなく突き刺したり首ちょんぱしたりバラバラにしたり、という話の展開も影響しているだろう。
「死者の書」が燃え、最後まで残っていた悪霊(に取り付かれた人たち)が断末魔をあげながら崩壊していくシーンはクレイアニメーションみたいなものか。薄気味悪いんだけど、すげー手作りな感じ。よく作ったな。
度を越したスプラッター描写が笑いに転化する、ということを意図的にやり始めたのは続編以降のことで、本作ではかなりストレートにホラー/ショッカー演出をやっている。が、その演出が豪快ゆえに、なんとなく笑ってしまうシーンもないわけではない。
個人的な好みは、II の方。ただ、これなくしてIIも、サム・ライミのキャリアもなかったという意味で重要な1本には違いない。
サム・ライミのカルト・ヒット。LDは持っているんだが、私にとってはそうそうしょっちゅう見たいジャンルというわけでもないので久しぶりの鑑賞。16mm をブローアップした、解像度が低くて粒子の荒い画面が特徴のひとつだったのだが、わりときれいにHD化されていた。
山小屋に遊びにきた5人組が、地下室で発見した妙なテープを再生したことから古代の悪霊に一人また一人と取り憑かれていく惨劇。無事に朝を迎え、脱出することができるのか?
「死者の書」の薄気味悪いデザインが秀逸。かつて、あれを再現したDVDのパッケージがあったが、いや、一切手を触れたくないね。あんなものには。
尋常ではないことを冷静に読み上げ続けるテープの声の調子がなんか可笑しい。妻に悪霊が乗り移った、唯一の方法はバラバラにすることだ、などと、いくら研究者だからって、冷静に実況生録音しているっていうのがね。
悪霊視点の主観カメラが疾走するのはライミのトレードマークみたいなもの。これ、怖いというよりちょっと笑える。
樹の枝がするすると女の子を縛り付けてレイプするシーンは批判の対象になったが、このシーン、なんか触手もののエロアニメみたい。でもこれ、それよりも古いよね。
なんだか理由は分からんのだが、取り付かれた人間をブチ殺そうとすると白い液体を盛大に吐き散らす。うぇ。汚いよ。
悪霊は主人公の周りの人間に次々と取り憑いて主人公を殺そうとするが、なんで主人公に直接取り憑かないのか、不思議。続編では片腕に乗り移られて抱腹絶倒のシーンがあるんだが、こちらにはそれがない。
この映画、直接的な暴力・残酷描写が当時はセンセーショナルだった。が、いま見ると、HDの解像度もあって、手作り感覚あふれる特殊メイクが微笑ましい。まあ悪霊にとりつかれる前は、友人や恋人だったのに、なんのためらいもなく突き刺したり首ちょんぱしたりバラバラにしたり、という話の展開も影響しているだろう。
「死者の書」が燃え、最後まで残っていた悪霊(に取り付かれた人たち)が断末魔をあげながら崩壊していくシーンはクレイアニメーションみたいなものか。薄気味悪いんだけど、すげー手作りな感じ。よく作ったな。
度を越したスプラッター描写が笑いに転化する、ということを意図的にやり始めたのは続編以降のことで、本作ではかなりストレートにホラー/ショッカー演出をやっている。が、その演出が豪快ゆえに、なんとなく笑ってしまうシーンもないわけではない。
個人的な好みは、II の方。ただ、これなくしてIIも、サム・ライミのキャリアもなかったという意味で重要な1本には違いない。
2010/08/27
デイ・オブ・ザ・デッド(2008)
Day of the Dead (2008) ☆★ (@WOWOW録画)
ロメロが予算的な理由で断念した『死霊のえじき』当初構想を参考にして製作、って、そういうの「リメイク」とはいいませんからっ!
故郷の町を軍事的に封鎖する作戦に加わったミーナ・スヴァリとその弟がゾンビ禍のなか、サバイバルする話である。
軍隊が出てくること、ある程度いうことをきく手なづけられたゾンビが登場すること、「Day of the Dead」 のタイトル(原題)が原典との共通点。それ以外は別物。だいたい、ゾンビが違う。死者が蘇ったんじゃなくて、ウィルス感染して変貌した人間。(←それって『ゾンビランド』。)そうなると、タイトルでも嘘をついていることになる。
監督はあいつ、スティーヴ・マイナー。『13日の金曜日』(1~3) から『フォーエバー・ヤング』まで、脈絡があるようでないようなフィルモグラフィだが、『ガバリン』とか『ハロウィンH20』とか、やっぱり低予算ホラーのイメージが強い。個人的にはコメディ・タッチの大ワニ・ホラー『U.M.A レイク・プラシッド』が最高傑作かと。
p.s. 新ビバヒル『90210』のムカつく女ナオミこと、アナリン・マッコードが出演してるね。。。見たことある顔だなと思ったんだよね。
ロメロが予算的な理由で断念した『死霊のえじき』当初構想を参考にして製作、って、そういうの「リメイク」とはいいませんからっ!
故郷の町を軍事的に封鎖する作戦に加わったミーナ・スヴァリとその弟がゾンビ禍のなか、サバイバルする話である。
軍隊が出てくること、ある程度いうことをきく手なづけられたゾンビが登場すること、「Day of the Dead」 のタイトル(原題)が原典との共通点。それ以外は別物。だいたい、ゾンビが違う。死者が蘇ったんじゃなくて、ウィルス感染して変貌した人間。(←それって『ゾンビランド』。)そうなると、タイトルでも嘘をついていることになる。
監督はあいつ、スティーヴ・マイナー。『13日の金曜日』(1~3) から『フォーエバー・ヤング』まで、脈絡があるようでないようなフィルモグラフィだが、『ガバリン』とか『ハロウィンH20』とか、やっぱり低予算ホラーのイメージが強い。個人的にはコメディ・タッチの大ワニ・ホラー『U.M.A レイク・プラシッド』が最高傑作かと。
p.s. 新ビバヒル『90210』のムカつく女ナオミこと、アナリン・マッコードが出演してるね。。。見たことある顔だなと思ったんだよね。
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