当方は『Star Trek』シリーズの長年のファンであるから、今度の新作については期待と不安が入り混じった気持ちで公開を待っている。関連するネタとして、今回は邦訳未発表のコミックについて書く。しばらく前に購入し目を通していたのだが、映画の国内公開までに時間があったので、敢えて言及を控えていた。
『Star Trek: Countdown』は、J.J. エイブラムズが指揮を執る新『スター・トレック』の公開を前に発売されたコミックで、同作品の脚本家が映画の「プロローグ」、つまり、背景設定となるストーリーを書き下ろしたものである。
映画版の予告編で、エリック・バナ演ずる敵キャラクターが "James T. Kirk was a great man... but that was another life" (字幕では「ヤツとは別人だ」という微妙な訳)と語っていたのを覚えているだろうか。さらに、スポックことレナード・ニモイの出演が正式に公表されていたから、これらからの類推で、「ははぁ、過去を描くとか、リ・イマジネーションとかいっているが、タイムトラベルによる歴史改変/パラレル・ワールドものとして全リセットを図るつもりだな」と勘付いたことだろうと思う。
要するに、これまで描かれてきたサーガ、いわゆる「正史」と、新作以降で描かれるパラレル・ワールドとのブリッジがこのコミックだ。
新しい『スター・トレック』が、事実上『スター・トレック 11』でもあるが、新シリーズはパラレルワールドなので事実上、何でもありになりますよ、という、旧来のファンへの目配せをかねた言い訳となる作品ということである。
そんなわけで、物語の舞台は24世紀。時間軸でいうと、劇場版第10作の『Star Trek: Nemesis』の後という設定で本書の幕が開く。(続く)
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