ここのところ、ガイ・リッチー監督の映画『シャーロック・ホームズ』、NHK-BSでも放送されたBBC製作のドラマ『シャーロック』と、アーサー・コナンドイルのシャーロック・ホームズをネタにしたものでいろいろ楽しませてもらっている。映画版は目立たく続編 "Game of Shadows" が製作され、日本での公開も来年春に決まったし、21世紀、現代のロンドンを舞台にした『シャーロック』も、きになる続きの制作が進んでいるようなので、とても楽しみにしている。
しかし考えてみると、この有名な探偵の物語、私はどうやら小学校の図書館で読んだ子供向きに編纂されたバージョンをひととおり読んだだけで、あとはグラナダTV制作版のNHK放映バージョンだったり、宮崎駿の犬のやつだったり、アンブリン製作の『ヤング・シャーロック』のようなもろもろの二次創作物を見ただけで、きちんと読んだことがなかったんじゃないかと思いあたった。それで、これを機会に光文社文庫から出ている『新訳シャーロック・ホームズ全集(全9巻)』を買って読んでみることにしたわけですよ。読書の秋っていうしね。
電車の中などでちょこちょこ読んでいるのでまだ3冊めまで読んだところ。『緋色の研究』『四つの署名』、『シャーロック・ホームズの冒険』と読み進んできた。概ね発表順?に読んでいこうかなぁと思っている。
この新訳版、訳がこなれていてとても読みやすい。また、普通に物語を楽しむ上で必要にして十分な注釈もあるし、文庫本にしては装丁も上質であると思う。また、昔に刊行されたこういう古典的な作品の文庫は、文字が小さかったり、行間が詰まっていたりで、読んでいて疲れてしまうので敬遠していたところがあるのだが、やはり新しく刊行されただけのことはあって、そのあたりも現代基準になっているからたいへんありがたい。
ガイ・リッチー版や、BBC『シャーロック』などで強調されて描かれるホームズの変人ぶりや危ないところ、単なる頭脳派だけでなく、実は腕も立つというようなところなどは、最初、勝手なイメージとして頭の中に作り上げていた「ホームズ像」とは乖離があって面食らったが、こうしてあらためて読んでみると、みんな原作の中にしっかりと書かれていることばかりなんだなぁ、と感心している。グラナダ版のドラマでも映像化されていたみたいだが、そういう印象は持っていなかった。NHK放映版では編集があったのか、それともあまり気を止めずに見ていただけだったのかなぁ。
ところで、電車の中で本を読んでいると、iPhoneをいじる時間が減って、そのぶんだけバッテリーの持ちがよくなるものですね。。。
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